追跡隊結成
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「聞け、フィルヴィス。私情でロキを巻き込んだのはこの私だ。私もただ任せるだけではなく、誠意を見せなくてはならない」
「何より、私はロキの信用が欲しい」
フィルヴィスという名のエルフが反論する中、ディオニュソス様は諭すようにいったあと、続けて本音を言い切った。
「信用は行動で勝ち取らなくては……わかるだろ、フィルヴィス」
「……っ」
これ、俺達はどうすんだろうなー、と俺は一人目の前で神酒を飲むバルドル様を見下ろしていた。
「フィルヴィス、どうか頼む」
「……わかりました」
目の前で繰り広げられている神と眷族のやり取りを眺め、俺はそっと隣で黙りっぱなしのハーチェスさんにそっと耳打ちした
「バルドル様はどうするんでしょうか」
「どうだろうね、けど、ここで【ロキ・ファミリア】に仮を作れれば結構大きいし今後、何か役立つかもだけど」
俺とハーチェス様の視線が目の前に座っているバルドル様に向けられる。
その間にもディオニュソス様とフィルヴィスさん話は続き、追跡隊に同行することになった。ちなまに、フィルヴィスさんはLv3だそうだ。
「それで? バルたんとこはどないすんのや?」
「……ここでそれじゃさようならってわけにはいかないだろうね……」
ちびちびと神酒を飲んでいたため、まだ酔わずにいるバルドル様は少し考えるようにして目をつむる。
「うん、それじゃ式にいってもらうよ」
「あ、やっぱりそうっすか?」
「だろうね。二十四階層を実際に見てるのは式なんだし」
どうやら、俺も同行することになるようだ。ただ、そうなるとあの狼野郎とまた顔合わせんのか……
「その子、確かLv5やったな。なら安心や」
「いや、Lv6だよ。つい先日なったから」
その言葉に、ロキ様だけでなくディオニュソス様とフィルヴィスさんも目を見開いた。
まだギルドへの報告をしていないため、この情報は出回っていないのだ。もたろん、報告はするつもり。
「……前のアイズと手合わせしたっちゅー時か」
「まぁ、今度ギルドに報告よ。それより、これなら十分な戦力だろ?」
「……やな」
そらじゃ、追跡隊は門の前に集まっておいてくれというロキ様の指示に従い、俺とフィルヴィスさんは門に向かう。
その途中、俺はバルドル様に呼び止められた。
「式。くれぐれもあれは使うんじゃないよ。そのかわり、戦車と本の使用の許可は出しておくから」
「……わかりました」
そう返事を返し、俺はフィルヴィスさんの後を追う。
はてさて、この騒動、いったいどうなるのやら。
とりあえず、またあの変態と会うだろうから、と俺は肩に背負った袋に入る三つの武器を指先でそっと撫でた。
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