追跡隊結成
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ルディアス・ホイール】や【プレラーティーズ・スペルブック】に続くその下、新たに四つ目の魔法が発現していた。
【アイオニオン・ヘタイロイ】
・固有結界
・結界内に入れるのは生物のみ
・自身のLv−2の軍勢を召喚する。
・カリスマA取得
・詠唱式【集えよ我が同胞。今宵我らは最強の伝説をこの地で示す。彼方にこそ栄え在れーー苦楽を共にした勇者達。果てを目指した彼の大地。我らが刻みしその心象。滅びた肉体、召し上げられた魂。されど彼らの忠義は世界を越える。絆は我が至宝なり。絆は我が王道なり。刮目せよ、我が無双の軍勢をーー彼方にこそ栄え在れ。征服王の名はイスカンダル】
……詠唱が長いのは、まぁあの規模の宝具だ。納得はできる、か。
後ろで頭を抱えてベッドに倒れ伏し、ブツブツと言葉を垂れ流すバルドル様を横目に羊皮紙を眺める。
詠唱の長さ、そして規模からしてそう易々と使えない、というか使えば相手の殲滅は確実な魔法だ。
しかも、出てくる戦士達が皆Lv4相当。下手したらオラリオの全勢力といい勝負出来るかもだ。しないけど
巨大生物には相性が悪いが、それでも破格の魔法と言えるだろう。てか、これなら四十九階層も数で押せるかもだ。
アイオニオン・ヘタイロイについてあれやこれやと考えていると、後ろでのそり、と音がした。振り替えると、目からハイライトをなくしたバルドル様が起き上がっていた。
そして、はぁ〜、と大きく息を吐き、目にハイライトが戻ると何かを決心したかのようにグッと手を握りこちらに目をやった。
「式、今後、その魔法を独断で使用することを禁止する」
「え? マジっすか?」
「当たり前だ。それが四つ目の魔法だと露見してみろ。都市中の神様連中にいらぬ疑いをかけられて、痛くもない腹を探られることになる。下手すると、他の子に被害が及ぶかもだ。使用の際は僕か、ハーチェスの許可をとること」
「……やむを得ない時は?」
「君の命がかかっているなら仕方ない。けど、基本は自己判断での使用は禁止。約束してくれるかい?」
「……分かりました」
それだけ言われれば、反論など出来るわけがない。バルドル様も意地悪ではなく、俺と、ファミリアの安全を考えてのことだ。
俺の返答を聞いて満足そうに頷いたバルドル様は「今度、皆にも教えとかないとね」と一言。
ハーチェスさんにも説明をして、一度アイオニオン・ヘタイロイを見せておいた方がいいとのこと。納得だ。
「それじゃ、俺はこれで失礼します」
「式」
部屋から出ようとした俺をバルドル様が背を向けながら呼び止めた。
「前にも言ったけど、僕らは家族だ。何があっても僕が守るよ」
「……知ってますよ。お休みなさい、バルドル様」
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