マブラヴ
1022話
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ここが俺達の世界ではあるのは間違いないが、それでもこの大きさが世界の全てだとするのは色々と無理がある。
なら、シャドウミラーの基本が出来上がったスパロボOGsの世界? 確かにそこも俺達の世界と言ってもいいのかもしれないが、そもそも俺達はその世界から脱出して次元の狭間に自分達の世界……というか、国を作ったのだ。
それに、今はスパロボOGsの世界そのものとの行き来が出来ず、連絡が取れなくなっているし。
「へぇ? 不味いものか。でも、君達の調理技術で不味いものというのは、私達の世界では普通なんじゃないのかな?」
「あー……確かに。俺が食った合成食は色々な意味で食えたものじゃなかったな」
不味さで言えば俺自身は飲んだ事がないが、クスハ汁が不味さトップクラスとして君臨している筈だ。だが、クスハ汁の場合は明確に身体の調子が良くなったり、肌の艶が良くなったり、疲労回復したりと色々な効果がある。
いや、寧ろその効果が強すぎてあれだけ強烈な味になっているんじゃないかと思う程だ。
「ああ、確かに。私も何度か食べた事があるけど……」
そう告げ、微かに眉を顰める崇継。
それだけで、合成食をどう思っているのかというのは明らかだった。
……本当なら五摂家の人間がそういうのを口にするのは駄目なんだろうが、ここはプライベートな場であって、公の場ではない。それを思えば、この程度の愚痴を溢すくらいは特に困らないだろう。
「ですが、あの合成食も調理次第ではそれなりに食べられるようになる、という話を聞きますが?」
皿のライチへと手を伸ばしながら、恭子がそう告げてくる。
「調理次第で美味くなる……か。どうだ、四葉。チャレンジしてみるか?」
チャーハンを大皿に入れて持って来た四葉に尋ねると、本人は小さく笑みを浮かべて頷く。
――そうですね、機会があったら挑戦してみたいと思います――
そう告げる四葉だが……本当にあの味をどうにか出来るのか? と聞かれれば、俺は自信を持って首を傾げるだろう。
まぁ、元々の合成食を作るプラントに対してシャドウミラーやマクロス世界のS.M.Sの方から技術協力があったのを考えると、以前より大分マシな味になっているんだから、四葉の調理技術があれば結構何とかなるのかもしれないが。
「……アクセルさん。これ、美味しいです」
四葉と話していると、不意に軍服をクイクイと引っ張られ、そう声を掛けられる。
そちらに視線を向けると、杏仁豆腐を食べている霞の姿。
「そうか、喜んで貰えて何よりだ」
霞くらいの年齢なら、甘い物を好むのは当然だろう。……いや、俺も十分甘い物は好きなんだけど。
「それを作ったのが、この四葉だ」
そう告げ、四葉の方へと視線を向けると
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