episode6 ーToon Worldー
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Dr.コレクターを見事打倒し、プロとなってからおそらく一番の成果を上げたであろうレンカは観客から惜しみない祝福を受けたのだった。
フードの奥で嬉々とした表情を浮かべながら、いつも一番近くで自分の事を応援してくれていた楓さんにどんな風に自慢をしようか、と思案していいると、いつの間にか、いつもの控え室の扉の前まで来ていた。
よし、と小さく意気込みドアノブに手をかける……、直前、中から感じる気配に違和感を覚える。
(……楓さん、じゃない……。じゃあ、誰?)
警戒心を強めながら、ゆっくりと扉を開き、中へと入る。直後、室内の光景に目を疑う。
ソファにぐったりと横になる女性と、それを冷酷に見下ろす銀髪の男性。そして、ソファの下に広がる赤い水たまり。
サスペンスドラマさながらの殺人現場に最悪の結末が脳裏をよぎる
(まさか、まさかまさか……?!)
失意と憤怒に囚われたレンカの行動は少女とは思えないほど早かった。
腕に装着されていた黒塗りの決闘盤を取り外し、構える。
そして、ゆっくりと振り向く男へとそれが全力で投擲される。
「ハーイ、レン……マイガッ!?」
縦回転するデュエルディスクが顔面へと吸い込まれるように飛んでいき、直後鈍い音が響き、男は後方へとぶっ飛ぶ。
レンカのダイレクトアタックを喰らい、倒れ伏す男性を確認。
そして、仇は取りました。と内心でもうきっと帰って来ないマネージャーに祈りを捧げているとソファの上で絶命していたと思っていた人物がゆっくりと体を起こし、刹那悲鳴をあげる。
「えっ?!ちょっ!ペガサスかいちょぉぉ!」
「えっ……?」
死んでしまったと思っていた彼女のマネージャーが生き返り?、そして、そんな彼女から発せられた意外な人物名に声が上ずるレンカ。
そして、途方もない勘違いをやらかしてしまったのではないか……と頭を抱えていた。
そう、容疑者とレンカが思っていた男性はインダストリアル・イリュージョン社の名誉会長、ペガサス・J・クロフォード氏だったのだ。
◆◇◆
「本ッッッ当にすいませんでしたッ!」
「ワタシはダイジョーブでーす。なので、顔を上げてくださーい、レンカガール?」
きっかり腰を90度まで折り、誠心誠意、謝罪の意を示すレンカと「大丈夫だ。」とそれを必死で止めようとするペガサス会長。
そして、そんな事が行われている端で、せっせと赤い水たまりを掃除する楓の姿があった。
「で、なんであんな殺人現場みたいになってたんですか……?」
「お、おう……レンカさん、そんな睨まないでくださいよ。」
とりあえず騒動がひと段落をし、三人とも落ち着いたのを見計らって、説明を求める。
楓曰く、
控え室でレンカの生中継を観ていた楓が、レンカの晴れ衣装で
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