深淵の領域
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ろって言うんだよ・・・)
俺はどうすればいいのかわからず絶望感に苛まれる。
(私が・・・恐怖で震えている・・・?)
(何ビビってんだ俺は!?ちくしょう・・・)
(怖くて・・・もうダメ・・・誰かあたしたちに勇気を・・・)
俺たちはその場から動き出すことができず、ただ震えて金縛りになっていた。すると、ナツさんが自分の体を抱き抱えているルーシィさんの手を握る。
「ナツ?」
「なんだ、こんな近くに仲間がいるじゃねぇか」
ナツさんは何かを語り始める。
「『恐怖は悪ではない。それは己の弱さを知るということだ。弱さを知れば、人は強くも優しくもなれる』」
俺たちはナツさんの方を振り返る。
「俺たちは、自分の弱さを知ったんだ。だったら次はどうする?」
ナツさんはボロボロの体にムチを打ち、ゆっくりと立ち上がる。
「強くなれ!立ち向かうんだ!!」
俺たちはナツさんの言葉を聞くと、自然と体の震えが収まっていた。
「一人じゃ怖くてどうしようもねぇかもしれねぇけど、俺たちは、こんなに近くにいる。すぐ近くに仲間がいるんだ!!今は恐れることはねぇ!!俺たちは、一人じゃねぇんだ!!」
ナツさんは俺たちを勇気づけようと大声で叫ぶ。
「見上げた虚栄心。だがそれもここまで!」
ハデスはそう言うが、俺たちはもうさっきまでと違う!!
(仲間がいれば・・・)
(恐怖はない!)
(そうだね、ナツ)
(たとえ魔力がもうなくても!)
(俺たちは絶対に諦めない!!)
((((((それが、妖精の尻尾!!))))))
俺たち6人は立ち上がり、悪魔たちを見据える。悪魔たちは俺たちの方へと一歩、また一歩と迫ってくる。
「行くぞーー!!」
「「「「「オオオオオオオッ!!」」」」」
俺たちはナツさんの掛け声と共に全速力で敵に突っ込む。
「残らぬ魔力で何ができるものか。踊れ!!土塊の悪魔!!」
ハデスの声と同時に悪魔たちが体からレーザーのような物を俺たちには発射する。
しかし、俺たちはそれに臆することなくただひたすらに走る。
ドンッ
その攻撃がナツさんの足を捕らえ、ナツさんは前のめりに倒れそうになる。
「ナツ!!」
だが、それをルーシィさんが掴み、ナツさんの体勢を無理矢理直す。代わりに、ルーシィさんがバランスを崩し、その場に倒れた。
ガシッ
今度はそのナツさんの手を、俺とウェンディが掴み、
「「行っけぇーーー!!!!」」
俺とウェンディがナツさんを前方へと投げ飛ばす。俺とウェンディはそれによりバランスを失い、転がるように倒れた。
「「ナツ!!」」
投じられたナツさんは、前を走るエルザさんとグレイさ
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