一方的な戦闘
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そしてユウキは何故か知らないのだが、竜を飼い馴らして遊んでるし。……こいつ。自分の飼い竜を盗られたのか、ユウキに。まあ、獣は本能的に強いものに服従するのが基本だから無理もないか。多少は訓練を積んでいるようだが……ユウキの足元にも及ばない。
「残念ながら、俺達はここで'はい'と言う程マゾヒストではない。それに……」
納めていたもう一本の剣を抜いて構える。
「お前が敵だと言うのなら、しかも命を取ろうというのなら……俺も容赦はしない。他人の命を狙うのなら自分の命を賭してもらおうか」
「ぐ……こ、この白イウム風情がああああ!!」
正論を言ったはずなのになぜか逆ギレされた。まあ、激情型なのは元から知っていたし、何故狙われたのかだいたい把握することができたし、プラスかマイナスかで言ったらプラスになるのだろうが。
ここまで扱いやすいとはな。
「貴様らは我々に滅ぼされる家畜に過ぎん! 豊かな地に住み、ヌクヌクと育ったお前達の命と私の命が同等だと思っているのか!?この下等人種め!!」
チャンバラのように振り回される剣をステップだけでかわす。
右、左、上、下と不規則に振り回される剣は先程の教科書剣術よりは読み辛いものの、フェイントすら入っていないため、ある程度の先読みができる俺からすれば、剣を使うまでもない攻撃だった。
聞くに堪えない悪態を次々と吐き出しながら剣を振るうその姿に感心さえ覚える。よく舌を噛まないな、と。
「貴様らはすぐにゴミになる。この私の正義の刃によってな! そうだ、そこのメス一匹と反逆者は私が飼ってやろう! それで安心だろう?安心して死ぬがいい! なぜなら私に飼われるということは名誉なことだからな!」
そろそろ聞き捨てならない言葉も混じってきたし、潰すか。正直なところ、かなり我慢した方だと思う。
「黙れ」
こちらから見て斜め左から振り上げられた刃を左手に握った剣で絡め取り、上に跳ね上げる。跳ね上げたことで空いた空間に下がるのではなく今度は踏み込むと、右手に握った剣の柄を鳩尾に叩き込む。鎧によって多少の威力は殺されるが、気にせず、同時に左手に握った剣の切っ先を跳ね上げ、くの字になったため高さが下がっていた竜騎士の剣を持っている手を斬りつけた。こちらは籠手によって阻まれるが、衝撃は中に徹すことに成功する。その衝撃で竜騎士は剣を手放してしまい、竜騎士とは別の、あらぬ方向へと飛んでいってしまう。
「一つ言っておく。俺からすればお前よりもユウキとレアの命の方が重い」
すべての命はすべて同じく価値があるなんて綺麗事はかけらも思っていない。
「人の逆鱗に触れるなら己の命の価値をゼロにして勘定するべきだったな。まあ、元々理不尽に剣を向けてくるお前の命の価値など俺から
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