14.カツオブシは誰がために
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存在がいた。
唯一の味方だと思っていた猫たちも含めて、救ってくれた。
居場所を与え、立場を与え、愛を与えてくれた。
でも、それは彼女が『ある力』を持っていたから。
「………リングアベルをシマツすれば、『あれ』を返してくれるって……あいつは、確かに言ったにゃ」
あれを失った事が知られれば、きっとまた――ミネットは捨てられる。
背中から闇に引きずり込まれるような悪寒を振り払うように、ミネットは頭をぶんぶん振る。それでも振り払えない恐れが、彼女の肩を震えさせた。
「居場所の為に、リングアベルを………マッサツしなきゃいけにゃいのにゃ」
腰につけた、魚の頭の骨をかたどった片手斧が小さく揺れる。
何かに掻きたてられるような焦燥と悲しみに溢れた彼女の額には――尾を食む蛇の文様が、妖しい光と共に浮き上がっていた。
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