第102話 二人は最後の日常を過ごすようです
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とうとう泣かせてしまった。だから僕は、腕の中の、今はまだ僕より少しだけ大きい、けれど
か弱くて細い体を、強く抱きしめ直す。
「ごめん、ごめんなさい、のどかさん……。」
「ばかぁ……せんせーのばがぁ!せんせーなんてぱっぱらぱーですぅー……!
どぉしてわたしのこと分かってくれないんですかぁ……嫌いになっちゃうんですからね……。」
「はい、でもすいません。のどかさんが僕の事嫌いになっても、僕は――」
「せん、せー………?」
自然と、顔を上げたのどかさんと目が合う。涙で濡れた綺麗な瞳に吸い込まれるように――
『うぉぉっほぉん!!』
「「にゅぅぉおあああああーーー!?」」
盛大な咳払いの合唱に、近づいていた距離は一気に離れる。
あ、あ、危なかった・・・!僕はこんな公衆の面前で・・・!
「いやはやゼルク殿。若いとはかくもこのようなものであったろうか。」
「ワシらからすれば遠いとおーい昔の話じゃよ松永殿。なんともはやうらやま嘆かわしい。」
「っだっぁああああああ!もう!いいから会議です!はじめーー!」
・・・こうして、望まない過程もあったものの、僕らは明日の作戦を変更する会議を始めた。
間違ってばかりの僕だけれど・・・皆と一緒なら何とかなるかも知れない。
だから―――
「で、愁磨さん達への報告と挙式はいつに?」
「ちっがぁぁあああああああああああああああああああああうう!!」
―――だから、本当に皆を守れるくらい、強くなるんだ。
この日常を守って、あの頃の日常に戻る為に。
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