第102話 二人は最後の日常を過ごすようです
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前足での打ち下ろし。しかし一撃で城を壊滅させられるそれを、
愁磨はいつもの調子で、受け止めるべく右腕を振り上げ――
「っ!」
ズガァァァンッ!!
寸での所で回避に行動を切り替え避け切った、かに見えた。否、確かに回避したのだが
その左肩から先を消し飛ばされた事に驚きと納得、それに加え狂気の様な驚喜を上げる。
「危ない危ない……只の物理攻撃に見せといて二つ乗せとは気前の良い事で。」
【よくぞ躱して見せた。今ので決めるつもりであったと言うのに。】
言い合う数秒で愁磨は腕と服を再生させ構えを取り、龍王も僅かに前屈し突進するように構える。
ボルテージが上がって行く二人に対し、状況が分からない女性陣は、
「成程、これが所謂"ヤムチャ状態"と言うものかな。私には何が起こっているのかサッパリだ。」
ズドォォオオオオン!
「ノワールはん以外は分かってないから安心してええよ。それで、どんな術式なんあれは?
ボゴォオン!
愁磨はんの障壁をものともせんって。」
「ツェラちゃんがあれ創った時に持たせた力の内の一つ……いえ、二つかしらぁ〜。
ズズゥン! ドゴァアア!
初めの魔法陣破壊と今の障壁貫通は"破壊の法"、つまりは攻撃魔法よ。」
「えー?いくらツェラメルちゃんの技でもむえーしょーで愁磨の障壁貫通出来るの?」
もみじの質問に、頬に指を当て考える仕草。解説役になっているノワールではあるが、完全に
仕組みを理解している訳ではない。理解している旦那は戦闘に夢中で、聞いても無駄だと悟り
食後のお茶を飲みつつ講師をする。
「勿論、ただの攻撃魔法とは仕組みがそもそも違うわ。普通は思考・魔力の練成・詠唱・発動だけ
れど、あの子の場合は思考と同時に発動する。そして相手の魔法と精霊の繋がりを破壊する。」
「む?それでは"王家の魔力"とあまり変わらないのではないか?」
「違うよ!つまり『やると決めたなら既に行動は終わっているッ!』ってやつだよ!!」
ドヤア、とアリカに指を差すもみじ。完全に話の内容を理解出来ていないのだが、その実は
的を得ている。"破壊の法"の概要は、『龍王が思考したと同時にツェラメルの設定した
魔法対魔法の演算を無視し破壊する』と言うものだ。『破壊したなら使ってもいい』、もあながち
間違っていない事に、頭を悩ませながら説明している自分の不甲斐無さに頭を抱えるノワール。
「……まぁ、大体合ってるわ。で、二つ目が"力の法"、強化魔法ね。」
「成程、不可視の範囲強化。それで愁磨さんでもあの距離まで気付けなかったのか。
それで残りの二つは「のわぁぁーあーーー!?」おっと。」
っどーーーん!
「あ
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