第22話
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諦めていた。護衛達を退けてこうして誰かが来れば、それは自分達を討伐するのが目的だろう――そう確信していたからこその驚きだった。
「いきなり現れて何を言ってるの!?」
「ちぃ姉さん!」
「っ〜〜生きたい……わよ、これで良いの!?」
肩を震わせながら地和は姉妹を代表して願いを述べた。そんな彼女の様子に星は満足そうに頷く、せっかく此処まで救出に来ているのに相手が無気力では助け甲斐が無い。
三姉妹の瞳に光が戻ったのを確認し。踵を返した。
「時間がない。私の後に続け!」
「っ……クソッ!!」
それから少し遅れて甘寧が屋敷に到着する。見張りの男達が意識を失っているのを見るに先を越されたようだ。相方ならこんな回りくどいことはしない。
「遅かったか……」
苦虫を潰す様な表情で呟く、念のために屋敷内を確認しようとした彼女は疑問を持った。
――屋敷内が綺麗過ぎる。抵抗の跡はおろか血の一滴も落ちていない。
「……」
気付かれないうちに暗殺に成功した?――ありえない。ここまで鮮やかな手口は自分達にも難しい。後ろから付いて来ていた仮面の女は気配を消す心得があったが、あくまで素人の真似事にすぎない。では何故血の一滴も見つからないのか――生け捕りにしたのだ!
「思春さん!」
甘寧が結論に達したと同時に周泰が到着する。時間が無い故に詳細を省き指示をだす。
「付いて来い明命。張角を追うぞ!」
「え!? は、はい!!」
突然の出来事に目を白黒させている周泰を伴い。裏道から広宗の門を目指す。
自分なら生け捕りにした人間をどの道から連れて行くか、いかに黄巾や官軍の目から隠れるか、最も効率の良い経路を頭の中で描き二人は疾走した―――
「む……まずいな」
星は後方から近づいてくる気配を敏感に察知した。隠密に優れた二人であれば悟られること無く近づくことも出来たが、一刻を争う事態に気配を消している余裕は無かった。
「?……何がまずいのですか」
星の様子に、頭の上に疑問符を浮かべていた三姉妹の人和が問いかける。武をかじってすらいない彼女達にわかるはずもない。
「なに、お主達の首にご熱心な者達が来るだけよ――首と別れたく無くば口裏を合わせよ」
「ちょ!?」
おどけているとも真剣ともとれる星の縁起でも無い発言に、三姉妹は顔面蒼白になる。
少しして遠方から二人組みが向かってくるのが確認できた。星の発言も相まって恐ろしい形相に見える。
「待たれよ!」
殺気を振りまきながら接近してきた二人と、三姉妹の間に入る形で星が制止を呼びかける。
甘寧と周泰は素直に止まったが、甘寧は後一
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