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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第6話
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ト3佐。
 確かに私は管理局の少将という地位を頂いています。
 けれど、見ての通り今の私は聖王教会の騎士、カリム・グラシアなの。
 少将閣下、ではなくカリムと呼んでいただけると嬉しいわ」

「は、はあ・・・では、騎士カリムと」

ゲオルグがカリムの言葉にたじろぎつつ答えると、カリムは笑みを深くして頷いた。
そしてゲオルグとはやてに椅子にかけるよう促すと、ゲオルグとはやては
円形のテーブルを囲むように置かれた椅子に腰を下ろした。

ゲオルグが落ち着かない様子で部屋の中をきょろきょろと眺めていると、
すぐに部屋のドアが外からノックされた。
カリムが"どうぞ"と応じると、静かにドアが開かれてティーセットの乗った
トレーを持ったシスターが入ってくる。
彼女はカップをテーブルに置き、その中に紅茶を注ぐと、席についている
3人に向かって深く頭を垂れた。

「ありがとう、シャッハ」

「いえ。それでは失礼します」

シャッハが退室すると、カリムは自分の前に置かれたカップを手に取り
紅茶をひと口飲んでからはやてに話しかけた。

「こうして直接会うのは久しぶりね、はやて」

「ん? そうやったっけ? 1カ月くらい前に会わへんかったっけ??」

「そうね。 でも1カ月も会わなければ寂しいわよ。 大切な妹だもの」

カリムの言葉を聞いて、はやては照れ臭そうに頬を掻く。

「妹?」

一方で、ゲオルグはカリムが発した"妹"という言葉に対して怪訝な表情を見せる。

「ええ。私にとってはやては妹のような存在なんです。ねえ、はやて?」

「ん? まあ、そやね」

はやては優しく微笑むカリムの言葉に対して、恥ずかしげに俯いた。
そんなはやての様子をゲオルグは僅かな驚きとともに、カリムは慈愛に満ちた
表情で見つめていた。

「ところではやて」

次いでカリムの口から発せられた言葉には、直前までの優しさ口調とは違って
真剣な雰囲気が多分に交じっており、その変化に気がついたはやてとゲオルグは、
椅子の上で少し姿勢を正してカリムの顔を見た。

「そろそろ本題に入らない? ゲオルグさんもお忙しいでしょうし、ね?」

カリムの言葉に頷くと、はやてはゲオルグの方に真剣な目を向けた。

「車の中でも言ったけど、私が設立しようとしている部隊の設立目的について
 もうちょっと詳しく話して、ゲオルグくんが私の部隊に来てくれるかどうかを
 考える材料にしてもらおうと思ってん」

"判ってる"と自分の言葉に対してゲオルグが小さく頷くのを見たはやては、
カップの中の紅茶で口の中を湿らせる。

「前にも言った通り、部隊設立の目的はレリックの件を追いかけるため。
 それと、より迅速に事件を解決でき
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