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BloodTeaHOUSE
発表会
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さんざん泣いて、演奏のあとで汗を拭くために用意したタオルがクシャクシャになった頃
初めての発表会で私が心細くなってないかと、
わざわざ様子を見に来てくれたんだ、ということがようやく飲み込めた。

「‥‥来るならもっと早くが良かった‥‥‥」

せっかく来てくれたのに、思わず飛白に八つ当たりしちゃった‥‥‥
言った言葉に後悔して、くすんと鼻を鳴らして上目づかいで飛白を見上げる。

「…ごめんなさい‥‥‥今のはウソ。 来てくれて嬉しかった‥‥」
「いつからここに1人でいたんだい?」
やさしく頭を撫でられ、そう訪ねてくる飛白。それだけで、肩に入ってた力が抜けていく。

「…9時から」

1番小さい5歳の子の集合時間。全部自分で準備しなくちゃいけないから、
早めに来て一生懸命準備してたけど、
心細いし、ちゃんと付き添いのいる、周りの子達がうらやましくて仕方なかった。

「お昼前に演奏するって言ってたからね。もう少し来るのは遅いと思っていたんだよ」
「準備、1人でしなくちゃって思ったから‥‥‥」

後ろになるにつれて、年齢の上がっていくプログラムだから、
ホントはそんなに早く来る必要はなかったんだけど、
したことのないお化粧に、どのくらい時間がかかるかわからなかったから。

「お化粧、取れちゃった……。目、赤いよね……腫れてない?」
「目は大丈夫、少し赤いけど目立たないよ」

今からもう一度、お化粧道具と格闘しなきゃならないのかと思うと、かなり憂鬱‥‥‥

「えっと…まずは、下地だった、よね……?」
グズっててもしょうがないから、顔を洗って鏡に向かって座り直す。
あー‥‥髪の毛も崩れちゃってる‥‥

開いたままだった雑誌のコスメ特集に掲載されてるお化粧の手順を覗き込む。
とにかくいっぱい手順が書いてあって、面倒だけど仕方ないよね‥‥‥

「貸してごらん、魔法をかけてあげるから」
後ろから飛白が肩に手をのせて、鏡越しに話しかけてくる。

「香澄ちゃんが緊張しないような、とびっきりのを、ね」
にっこり笑う飛白は、なんだか楽しそう。
魔法って言葉につられて、先生に借りたコスメボックスを差し出す。

「僕に任せて、目を閉じててごらん。」

なんて言うから目を閉じる。
頬や目元と唇を、ちょいちょいといじったかと思ったら、

「さ、目を開けてごごらん」

え?もう終わり?? はやくない!?

そっと目を開くと、ほんのり桜色のほっぺにくりんと上向きに綺麗に上がったまつげ、
つやつやのかわいい色つきのグロス。自然なのにちゃんとかわいい‥‥

「うそ‥‥みたい‥‥あんなに苦労したのに‥‥」
「僕に不得意なことはないよ。 なんてね。
 香澄ちゃんはかわいいから、余計
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