第十二夜「前奏曲」
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よっ!絶対ありえないから!」
私はその賭けを承諾してしまったのだった。
―何を買ってもらおうなかなぁ?―
でもこれって、いつになるか分からない話よね?さては紫苑姉の罠?
♭ ♭ ♭
快晴の続く眠〜くなる中、約束の土曜日が来た。
私はお昼からお弁当を作りを開始した。冷凍食品が嫌いだから、余計に時間がかかるのよねぇ…。
「おっ!?何作ってんだ?」
今頃になって爛兄が起きてきた。
爛兄は夜の仕事をしている。両親が海外赴任だからって、何もホストなんて仕事しなくてもねぇ…。凄い香水の匂いを付けて着た時は、紫苑姉にどやされてたっけ…。
「今日お弁当持って、夜出掛けるの。だから準備してるのよ。」
私がせっせと下拵えをしながら言うと、爛兄は薄笑いを浮かべながら言った。
「また浩司のヤツとだろ?やっぱ付き合ってんじゃん!前々からそう思ってたんだよなぁ。どこまでいったんだよ?」
バカ兄貴!一度その酒臭い頭ン中掃除してこいっ!
「紫苑姉と同じ様なこと言わないでよ。そんなんじゃないって。ただの幼馴染みよっ!」
そう言いつつ、私は手を動かすことは止めない。
「ふ〜ん、そんな幼馴染みのために、毎回こうやって手作り弁当?どんなもんかねぇ…?俺らにはこんないい飯作ってくんねぇのになぁ〜?」
私が言うのもなんだけど、爛兄はかなりの美形だ。但し、寝起きの不精髭が無い限り。そんな兄に意味深に言われると、ちょっと目眩が…。やはりホストは違うわね…。
「もう邪魔しないで!ご飯はそこに用意してあるから、さっさと食べて出てってよ!」
私はむくれながら下拵えをするはめになった。
「ハイハイッと、翠ちゃんは冷たいねぇ〜。」
と言う割りには、爛兄はニコニコしながらご飯を食べていたのだった。
♯ ♯ ♯
その日の夜七時。浩司と一緒に約束の場所に来た。
辺りは段々と暗くなり、私は家から持ってきた古いランプに火を灯した。せっかく星を見に来たんだから、懐中電灯なんて不粋でしょ?と思って、物置から引っ張り出して来たのだ。
「翠ってば、また古風だなぁ。まぁ、こっちの方が風流だけどさ。」
この歳で、風流を感じたくはないけど…まぁ、そうね。
「ちょっといい感じでしょ?火は爛兄に言って、ライター借りてきたの。」
実は、物置でこれを探してる時、爛兄に見つかっちゃったんだよねぇ。爛兄ってばピンッときたみたいで、ちゃっちゃとランプを見つけて言った。
「これ探してんだろ?」
とか言って、ライターまで貸してくれたのよね…。ライターの使い方まで丁寧に教えてくれちゃって、全部お見通しって感じだった…。
「さってと、まだ少し明るいから、まずはご飯にしますか。」
そう言うと浩司は「そうだ
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