マブラヴ
1020話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
重慶基地のBETA襲撃から数時間が過ぎ、現在俺の視線の向こうでは大勢の兵士達が戦術機やガン・ルゥ、あるいは重機を使ってBETAの死骸をコンテナへと詰め込んでいく。
働いている兵士達の顔に笑みが浮かんでいるのは。やはりBETAの襲撃を1人の死者も出さずに乗り切った為だろう。
勿論負傷者はいるが、それでもやはり死者がいないというのは大きい。
更にはBETAの死骸はコンテナに詰められ、オーストラリアに用意された港経由でホワイトスターに運び込まれ、資源へと姿を変える。
国の為というのもあるが、当然これだけの功績を残せば自分達に返ってくるリターンもでかい……といったところか。
その証拠に、今日の重慶基地の食事は他の世界から輸入された天然物の食事が配給されると先程放送で言っていた。
やはり食事というのは、兵士にとって最大の楽しみの1つなのだろう。
更に国連軍に頼らず、自分達の力だけでBETAを殲滅したというのは間違いなく強力な自信となる筈だ。
……その強力な自信が度を過ぎて慢心にならなければいいけどな。
確かに現在このマブラヴ世界ではBETAと人間だと人間の方に天秤が傾いている。それは事実だ。
だが、それはあくまでもシャドウミラーというイレギュラーな存在があってこそなのも事実。つまり、もし俺達に何かがあった場合、再びこの世界は危機に陥るかもしれない訳だ。
勿論既に俺達からの援助でかなり人間勢力の力は上がっている。ガン・ルゥのライセンス生産や、親しい国に譲渡したMSの解析による技術力の上昇。リニアガン・タンクは技術力の問題で作り出す事はできないが、それにしてもいずれ時間が経てば解決してくれるだろう。
……その辺を考えると、技術力では問題ない。だが、逆にその技術力が原因で人類同士で戦うという可能性も否定は出来ない。
特にソ連辺りはその辺で蠢く可能性が高いだろうし……何より俺達という存在がいなくなれば、再び恭順派や難民解放戦線のようなテロリスト共が活発に動くだろう。
「アクセルさん? 難しい顔をしてどうしました?」
そんな声に振り向くと、そこには恭子の姿があった。少し離れた場所には護衛の斯衛の如月の姿もある。
2人共が戦術機のパイロットスーツを着ているが、その上から更にジャケットを着ている為に、身体のラインは隠されている。
……本当に、誰がこんな趣味的なパイロットスーツを作ったんだろうな。是非一度会ってみたいものだ。
マリューはともかく、レモン辺りとは意外と話があいそうだし。
「いや、よくこの戦力で連隊規模のBETAを相手に勝てたと思ってな。それも、被害らしい被害は殆ど出さないままで」
「……一応被害は出たんですけどね。戦術機が数機小破してますし、その際に衛士……パイロットは怪我をしてます
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ