白髪鬼の脳内日記
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力を認めてもらうため。
そう考えた私は、警戒をほとんど解き、共に苗床に向かってしまった。
道中では、少しでも情報を得るために、幾つかの質問もした。男はあっさりと答えていたが。
左手の包帯が気になったので、どうした?と尋ねれば、『剣姫』にやられたと言っていたし、何故そんな服装で来た?と問えば、一応仕事で来ているとこたえた。
一聞すると、大した問答ではないが、『剣姫』にやられたということは、『剣姫』と戦う機会があったことを示す上、むしろ『剣姫』と戦って左手の指数本で済んでいることも表す。
さらに、”一応”ということは、男はギルドに潜入して、スパイもどきのことでもしているのだろう。
嘘を吐いた様子でもなかったので、余計に私は男を信用してしまったのだろう。
これ以上の問答の必要性を感じなくなった私は、無言のまま男と共に、苗床へと向かった。
そして苗床に着いたのだが、男はモンスターを見るや否や、身構えていた。
どうやらモンスターたちを敵と判断したようだ。思えば、男はモンスターたちと敵対しかしていないから、敵と認識していたのだろう。後ろにいる者からは聴いていないのだろうか?と不思議に思ったが、どうでもいいな、とすぐに斬り捨てた。
モンスターに手を出されてはたまったものではないので、手で男を制し、敵ではないことを伝える。
一応、誤解されても困るので、このモンスターたちの調教をやったのは私ではないことも伝えておいた。
男は少し驚いたようだが、そこは流石の順応性で、物珍しそうにモンスターたちを見ていた。
しばらくモンスターを眺めていたようだが、飽きたようで、再び奥にある別の苗床へと向かう。
そしてそこから更に十分ほど経つと、男は”土竜族”が住む場所を聞いてきた。
なぜ?と疑問に思い、尋ねてみると、「そちらが本命だ」と答えられた。
男はどうやら別の仕事も請けていたようで、”土竜族”が住む都市にも用があるらしい。
詳しく聞きだそうとしたが、男はこれ以上は聞くなという視線を送ってきたので、しぶしぶ諦めておく。
そして、場所を教えるや否や、男は”土竜族”の都市へと向かうと言って、その場を後にした。
まさかモンスターと怪人を見るために此処に来たのか?と呆気に取られるが、直後に聞こえてきた岩が崩れるような音を聞き、すぐに我に返る。
私は慌てて音がした方向へ向かった。音の発生源はどうやら先ほど通った苗床のようで、見ればそこは既に半壊していた。
呆然と立ち尽くす私に、追い討ちをかけるかのように、ダンジョンから生まれたモンスターたちが襲ってくる。 どいつもこいつも『調教』……いや、『洗脳』してあるようで、普通よりも数倍強くなってい
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