白髪鬼の脳内日記
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
油断がならない相手のため、己の中の警戒レベルを最大にあげたのだが、今日はこれ以上おかしなことは起きなかった。
%月?日 { 空欄 }
クソッ!完全に油断していた!!あの男はやはり味方などではなかった!!
二つある苗床の片方を壊されるなんて、失態どころではない!!
ことの始まりは数時間前のことだ。
あの男はまるで瞬間移動してきたかのように、いきなり現れた。
軽く食事を終え、いざ苗床に向かおうとした私の背後から、「やあ」と声をかけてきたのだ。
不意を突かれたことに戦慄しつつ、バッと背後を振り返ると、そこにいたのは身長1.78Mほどの金髪の男で、その身には、ギルドの制服を纏っていた。
ギルドの職員。要するに我々の敵。何をしたのかは知らないが、私は容赦なく殺気をぶつけ、正体を尋ねた。少なくとも、ギルドの職員が一人では来れるようなところではないのだ、ここは。
するとあの男は、「貴方と同じです」とほざいた。
私と同じ。つまりは、『彼女』の寵愛を受け、その身を怪人と化した化け物。
そんなはずがない。そう思って私は「嘘を吐くなっ!」と思わず叫んでしまった。
しかしあの男は、殺気などまるで気にしていないかのように笑顔で、「嘘ではありません。正真正銘貴方と同じです」といった。
確かに、【神の恩恵】を受けていないただのギルドの職員では、私の殺気に耐えられず、気絶とはいかなくとも、その顔を苦痛で満たすだろう。だが、あの男は笑っていた。
さらに、この場所をギルドが知っているというのも考えにくい上、昨日のミノタウロスがあの男に『洗脳』されていると予測した。以上のことから、私はあの男は『味方ではなくとも、敵ではない』と判断してしまった。
その時は完全に信用したわけではないので、一番重要な質問もした。
「お前も『彼女』に選ばれたのか?」と。
ソレに対して、あの男は少し考える素振りを見せてから、「少し違います。僕は力を授かってません」と答えたのだ。
これには二重の意味で驚いた。
まず、男はなんの加護も受けずに、私の殺気を流した、という事実。そして、男の口ぶりからして、『力を与えずとも、男をあそこまで強化した者がいるということ』にだ。
認めたくはないが、男は『彼女』の加護を受けた私より強い。それも加護なしで、だ。
それは私の中で、男の後ろにいる者が『彼女』と同類かそれ以上の存在なのでは?という疑問を抱かせるには十分すぎた。
男ほどの力があれば、私一人なら簡単に倒せるのだろう。にも関わらず、それを実行しないということは、男は”ナニカ”の命令を受け、我々に危害を加える気はないということ。
ミノタウロスに調教の上書きを加えたのは、我々に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ