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オラリオは今日も平和です
白髪鬼の脳内日記
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油断がならない相手のため、己の中の警戒レベルを最大にあげたのだが、今日はこれ以上おかしなことは起きなかった。




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 クソッ!完全に油断していた!!あの男はやはり味方などではなかった!!
 二つある苗床の片方を壊されるなんて、失態どころではない!!


 ことの始まりは数時間前のことだ。
 
 あの男はまるで瞬間移動してきたかのように、いきなり現れた。
 軽く食事を終え、いざ苗床に向かおうとした私の背後から、「やあ」と声をかけてきたのだ。

 不意を突かれたことに戦慄しつつ、バッと背後を振り返ると、そこにいたのは身長1.78Mほどの金髪の男で、その身には、ギルドの制服を纏っていた。
 ギルドの職員。要するに我々の敵。何をしたのかは知らないが、私は容赦なく殺気をぶつけ、正体を尋ねた。少なくとも、ギルドの職員が一人では来れるようなところではないのだ、ここは。

 するとあの男は、「貴方と同じです」とほざいた。
 私と同じ。つまりは、『彼女』の寵愛を受け、その身を怪人と化した化け物。

 そんなはずがない。そう思って私は「嘘を吐くなっ!」と思わず叫んでしまった。
 しかしあの男は、殺気などまるで気にしていないかのように笑顔で、「嘘ではありません。正真正銘貴方と同じです」といった。
 確かに、【神の恩恵】を受けていないただのギルドの職員では、私の殺気に耐えられず、気絶とはいかなくとも、その顔を苦痛で満たすだろう。だが、あの男は笑っていた。

 さらに、この場所をギルドが知っているというのも考えにくい上、昨日のミノタウロスがあの男に『洗脳』されていると予測した。以上のことから、私はあの男は『味方ではなくとも、敵ではない』と判断してしまった。

 その時は完全に信用したわけではないので、一番重要な質問もした。
 「お前も『彼女』に選ばれたのか?」と。
 ソレに対して、あの男は少し考える素振りを見せてから、「少し違います。僕は力を授かってません」と答えたのだ。

 これには二重の意味で驚いた。

 まず、男はなんの加護も受けずに、私の殺気を流した、という事実。そして、男の口ぶりからして、『力を与えずとも、男をあそこまで強化した者がいるということ』にだ。

 認めたくはないが、男は『彼女』の加護を受けた私より強い。それも加護なしで、だ。
 それは私の中で、男の後ろにいる者が『彼女』と同類かそれ以上の存在なのでは?という疑問を抱かせるには十分すぎた。

 男ほどの力があれば、私一人なら簡単に倒せるのだろう。にも関わらず、それを実行しないということは、男は”ナニカ”の命令を受け、我々に危害を加える気はないということ。
 ミノタウロスに調教の上書きを加えたのは、我々に
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