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ある提督の回顧録
1日目
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だな」

 日誌を書き終えた私は次に情報の確認をはじめた。
ダンボールに隠すようにして入れられた古いノートを取り出す。

「やはり大体合っている……レシピ、か」

 私には秘密がある。
誰かに話したところで理解されないであろう記憶があるのだ。

 何の?と聞かれれば「前世の」としか答えられないようなもの。
それを思い出したのがいつからかは正確に覚えてない。

 人一人分の記憶と経験、それから攻略情報。「艦隊これくしょん」というゲームのだ。
ただ漠然と情報が頭に入ってきたのだ。
 まず生まれたのは恐怖であった。
艦娘やレシピ、イベント。
 鎮守府、という単語によってようやくその意味がつながりはじめた。


――艦隊これくしょん。
 どういうわけかこの世界は記憶のなかにある「艦隊これくしょん」というゲームに酷似している。
理由はわからないが。

 それをまとめ直してノートに記したもの。
私はこれを「攻略本」と呼んでいる。
これは私にとっての生命線となりつつあった。

 おかげでこうして提督としてこの鎮守府に配属されたわけだ。
今日の不況の最中にあって職を得られたのは大変好都合であった。
生き残ることが出来れば、だが。

 大体の確認と明日の予定を決めた私は早めに休むことにした。
明日も以降も生き残るために。



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