1日目
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白雪とはどこで知り合ったんだ?あの子はうちで生まれただろう?」
気になったので質問してみると、「何言ってんのコイツ?」みたいな顔をした。
「海経だけど?どうかしたの?」
当たり前だろう、という感じで返してきた。
海経、正式名称は海軍経理学校で庶務・会計・被服・糧食を受け持つ主計科要員育成のために置かれた軍学校である。
学校に行っていたということは当然今日生まれたわけではない事を示しているはず。
では製造される、とどうして表現するのだろうか。
「君たちはドッグの中で生まれるわけじゃあないんだな?」
「当たり前じゃない……ドッグで作られているのはあくまで装備よ!装備!
装備があっての艦娘だから生まれるとか製造される、という表現を便宜的に使っているの!
あの中でホイホイ生まれるならもう今頃深海棲艦は居ないわよ!」
確かに、言っていることは筋が通っているようだ。
だが腑に落ちないこともある。
「建造が終わって直ぐに出てくるのはどうやっているんだ?」
「仕組みは簡単よ。消費する資源を決める段階で妖精さんたちの作るものが大体決まってくるの。そのときに艦娘となるべくして集められた私たちのような子が出来上がる装備に合わせて呼び出されてから装備のフィッテングを行うの。」
装備に合わせて呼び出されていたとは。
だが鎮守府内にそれとおぼしき少女の姿はなかった様に思う。
「その少女たちはどこに?」
「この鎮守府の隣に学校のような施設があるでしょう?そこにいるのよ。判った?」
多少うんざりしたように叢雲は言った。
「ああ、わかったわかった。つまり艦娘となっても基本は人間でありなにも変わらない、という認識でいいんだな?」
「そうよ、だから食事もするし休憩も要るの」
少女のような兵器ではなくあくまで武装した少女である、そう捉えれば良いらしい。
士官学校で言われている「艦娘はただの兵器」という言に今更ながら反論したくなってきた。
「なるほどな。では叢雲、今日はゆっくり休んで明日に備えてくれ」
「言われなくてもそうするわ。……ふぁ〜ぁ……じゃ、おやすみ」
叢雲はあくびをかみ殺しながらそう答えると手を振りながら執務室を出ていった。
「さあて、仕事を終わらせるか……」
ダンボールの中にあった書類は叢雲たちが帰ってくるまでにほぼすべてを片付けることが出来た。
あとは執務を執り行うための机の発注と……個人的な日誌の作成。
報告書とは別にその日の出来事を記録することは重要であろう。
たとえそれが重要でなくとも記録する行為に意味があると私は信じている。
「今日は色々あったし……いや、ありすぎ
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