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ある提督の回顧録
1日目
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てもらう。いいかな?」

 二人はそれぞれ驚いた顔をしながらもすぐに頷いてくれた。
流石は艦娘と言った所だろうか?適応が早い。

「執務室へ行こう。説明はそこで」






 再び執務室へ戻ると叢雲はどこからか海図を引っ張り出していた。

「遅かったわね!……って白雪!?アンタがきたの!?」

「久しぶりだね、叢雲ちゃん」

 美少女二人が手を取り合って笑い合う姿は実に微笑ましい。

 だが、気になることもある。
白雪は今、「久しぶり」と叢雲に言った。いつ会ったのだろうか?
彼女は先ほどドッグから出てきたばかりだろうに。

 ふと、叢雲と目が合った。どうやら視線に気づいたらしい。

「さあ、さっさと作戦会議始めるわよ!」

「あはは……」

 夕張が苦笑いしている。
止めてたのは君たちですよね?いや、余計なことは言うまい。

「司令官、さっき本部からまた高速暗号通信が届いたわ。確認を」

 そう言って叢雲は紙を手渡してきた。
暗号を翻訳し、書き写したものだろう。

「……なるほど、要は他の艦隊がうちの鎮守府近海にて哨戒中に見つけた敵と交戦し、数隻を撃沈させたが残党がこちらへ向かっているらしい」

「敵は損傷を負ってるってことですね?それなら楽勝かも?」

 夕張は楽観的に情報を捉えたようだ。
しかし、叢雲は首を振った。

「夕張?相手が手負いだからといって楽に片付くとは限らないわよ?」

「私たちの錬度も高いとは言えませんし……油断せずに行きましょう」

「あーそっか」

 あくまで冷静に。
しかし、各々の士気は高いと見るべきだろう。

「旗艦は叢雲。随伴艦として夕張、白雪。
 周囲の索敵を怠らないように」

 そう言うと叢雲は満足そうに。

「アンタのお手並み、拝見させてもらうわ」

 と、言って微笑んだ。
望むところである。

「敵残党は駆逐艦だそうだ。全員無事で帰ってくるように!以上!出撃!!」

 敬礼をした後、3人は出撃した。















「敵影確認。……数は1、その他敵影なし」


 白雪が敵を発見した。
初めて戦場に出たからか、その声には緊張が含まれていた。

「駆逐イ級……情報通りね」

「ちょ、ちょっとー置いてかないでー!」

 叢雲と夕張には若干余裕がありそうだ。

 送られた情報を確認したら驚いた。
この駆逐イ級は手元にあるデータより足が速いようだ。

 だが幸いなことに、連戦での影響かそのスピードにばらつきが見られる。
こちらのほうが数は多いので捕捉するのは困難ではないだろう。
 私はすぐに指示を出した。

「白雪と
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