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ある提督の回顧録
1日目
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どうせなら終わってから行こう。
そう思っていたその時。





――けたたましいサイレンの音が鳴った。



 私は急いで執務室に戻った。
叢雲は待っていたようだ。

「遅い!たかが建造の指示だけでなんでこんなに時間かかってるのよ!
 ……本部より入電、深海棲艦がこの鎮守府の方向に向かっているらしいわ」

「敵が?なぜ?」

 そう言うと叢雲は呆れたように。

「敵がこっちの都合に合わせてくれるわけがないでしょ?」

「そりゃあそうだろうけど」

 着任初日で攻めてくるなんて誰が思うだろうか。

「で?キチンと建造はできたんでしょうね?せめて味方が2隻は欲しいんだけど。」

「指示はしてきた。一隻は直ぐ完成するだろうがもう一隻はまだ1時間かかる。
 今回の出撃には間に合わない」

「アンタ、何か忘れてない?」

 そう言う叢雲の額には青筋が浮かんでいるように見える。

「……?いや、特に忘れてるものはないような……?」

「妖精さんがジェスチャーとかしなかったかしら?具体的にはドッグの隅に向かって」

「あ〜どうだったかな?あった気がするけど……」

 そう言うと、叢雲はため息をつきながら。
高速建造材、と呟いた。

「……なるほど!そんなのあったな」

「ねぇ……大丈夫?」

「だ、大丈夫だ!」

 急いで来た道を引き返し、ドッグへ入ると妖精さんに指示を出した。







「1番に高速建造材を!」

 指示を受けた妖精さんたちはあたふたとしながらもすぐにバーナーを取り出し建造中のそれへと炎を向けた。
これで本当に完成するのだろうか?そう思った瞬間。
 ふわり、と少女が姿を現した。

「はーい、お待たせ?兵装実験軽巡、夕張(ゆうばり)、到着いたしました!」

 ドッグから出てきたのは少し緑がかった銀髪のポニーテールが印象的な黒いセーラー服のかわいらしい美少女だった。


「夕張、よろしくな」

「はい!提督!」

 そう言うと橙色の瞳をこちらへ向けて夕張はにっこりと笑った。いい笑顔だ。
艦娘がみんな夕張のようであればいいのに……!
 そんな風に考えているうちにブザー音が鳴り響いた。
見ると2番ドッグの建造も終わっていた。

「特型駆逐艦、2番艦の白雪(しらゆき)です。よろしくお願いします。」

 栗色の髪を二つくくりにした少しおとなしそうな少女は少しはにかみながらぺこり、とお辞儀をした。
文句なしにかわいい。
 ああ、どうして「あれ」が最初に来てしまったのだろうか?
この二人はこんなにかわいいのに!

「よろしく、白雪。……俺は提督の田中太郎だ。
 早速で悪いが二人には出撃準備をし
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