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ある提督の回顧録
1日目
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グが見えるでしょ?クレーンのある場所よ。
 そこで建造ができるわ」

――建造。そうだ、彼女たち「艦娘」は「人工物」だ。
士官学校では「艦娘は兵器である」というのが一般的である。
ここにいる彼女はあまりに人間的すぎるゆえに忘れそうだが。

「ああ、それは知っている。……で、どうすれば良いのですか?指導艦どの?」

「建造ドッグにいる妖精さんに消費する資材を通達しなさい。そうすればあとは妖精さんが頑張ってくれるわ」

 「妖精さん」とは鎮守府内のあちこちで見かける小人のことだ。

「了解。消費資源は……最小で?」

「お好きにどうぞ?資材を多く消費すれば大型の船舶が来やすくなるわよ。
まあ、まだ資源に乏しい内から大型船舶なんて運用できないと思うけど」

 流石に指導艦というべきか、言っていることは道理であった。

「確かに……ところで、艦娘の配属は運に左右されるのだろうか?
 この船が欲しい!とか狙って配属させることはできないのか?」 

「あのね?そんなことができたら世の中みんな苦労しないわよ。こればっかりは縁もあるし。
 ……ああ!もう!いいからさっさとドッグに行きなさい!駆・け・あ・し!」

私は追い出されるように執務室を出た。













「そうそう、とりあえず各資材最低値で」
 戦力を整えるために工廠に来た私を妖精さんたちはとても丁寧に出迎えてくれた。
 ……どこぞの駆逐艦とは大違いである。
彼女らは言葉を発することはないものの、よくわかるジェスチャーで感情などを表現している。
 最も、我々が理解できていないだけで実は言語を発している可能性はあるが。

「よしよし、とりあえず2隻作るかな。予定建造時間は……ドッグ1が1時間22分とドッグ2が20分か。」

 新しい仲間に出会えるのは楽しみであった。「あれ」よりひどいのはそうそういないだろうし。
せっかくなのでここでしばらく待っていようか。

 すると妖精さんたちがドッグの隅を指さして首をかしげるジェスチャーをした。
見ると、「高速建造材」とあり説明を見る限りどうやらこれを使うことで早めに新戦力と出会うことができるようだ。
私は首を振った。

「たしかに、直ぐにでも合ってみたいけどこうして待つのも乙なものだと思うからね。
 気を利かせてくれてありがとう」

 妖精さんたちは「りょーかーい」とジェスチャーをした後またちょこちょこと動き出した。
コミカルな動きをする彼女らを眺めるのも結構楽しい。


 そうして約15分の時間が過ぎた。
これ以上遅くなると執務室に帰った時、叢雲になにか言われるかもしれない。

 しかし、もう少しでドッグ2の建造が終わりそうであったので
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