問題児編 第1章 手紙に誘われ
三度航海者はカケラを渡る
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だ。なのは達は科学として奇跡を振るい、遠坂達は神秘として奇跡を振るう。俺みたいな航海者がいなければ、魔術の存在がAに現れることはなかっただろう。それに、基盤が違うからAの世界の人間にBの世界の奇跡は使えない。俺と交わったティアナ、俺のクローンである海斗を除いては
さて、話が逸れてしまったな。このように世界の根底が異なると違いは大きくなり、それだけ距離も離れていく。中には奇跡を振るう術がない世界もある。それらをカケラの海で見てみると、銀河系同士のように離れていて、それら無限の輝きが宇宙を成す。俺たちはそれをとても遠くから見ている、と認識しているためにここを海と呼んでいるのだ。ちなみに俺たちがどうやって世界の中を見るかというと、一度認識した世界ならそれを手元に持ってくることができる。それに近い、言うなれば惑星の近くにある星なんかもまとめて持ってこれる。まあ中身はわかんないから、その中からでも目的の世界と完全一致するものを探すのは時間がかかるが
ふう。これでようやく本題に入れる。この手紙に繋がれた世界がどう見えるのか。さっきも言った通り世界は宇宙のようになっており、どれだけ重ねた歴史が近くとも離れているはずなのだ
なのに、そのカケラは全てと繋がっていた
視覚的には宇宙の中心にある。しかしそのカケラを手元に持ってこようとするとどれだけ異常なのかがわかる。そう、そも持ってこれないのが異常。糸を辿ってとはいえ俺はそのカケラを認識したのだ。ならば手元に持ってくることはできる。では、なぜできないのか。その理由こそが、全てと繋がっているからである。さっき説明した通り、カケラを手元に持ってくるとそれに近い歴史を歩んだ物も付いてくる。一度でも入ればそれだけを持ってくることが可能になるが、生憎おれは一度もこのカケラに渡ったことはない。そして、このカケラを掴もうとするとだ。それにつられて宇宙全てが引っ付いてくるのだ。そうなれば当然、掴むなどできはしない
だが、それはおかしいだろう。とすればこの手紙が誘う世界は全ての世界と重なっているということになる。いやいや無理無理、そんなのあり得るわけな......。いやまて、確か元老院の議事堂は全てに重なってる。でもあれは上位世界に位置している。まさかカケラ全てが上位世界になってるなんて.......そんなこと有り得ないよな?
だが、これは朗報かもしれないな。少なくとも、例え俺の原点がわからなくともこんな面白そうな構造をしているカケラはそうそう見えない。仮にこの手紙が無ければどこぞの奇跡の魔女と同じような苦行しない限りはな。俺は内心笑みを浮かべつつ隣で未だに惚けているティアナの手を再度強く握りしめ
「こっちだ。ただどこに出るかはわからないし出た瞬間即戦闘もあり得る。準備オーケーか
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