問題児編 第1章 手紙に誘われ
三度航海者はカケラを渡る
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の話をしようか」
ーーかつて一人の少年がいた。この話は、彼が師匠に救われてからまだそこまで時間が経っていないときの出来事だ
ある日、師匠が呼び出されて家に一人でいた時のこと。ある男が家を襲撃してきたんだ。そいつもまた、運命に翻弄された末に乗り越える術に気がつき、現在の運命の名を継ぐ師匠を倒しにやってきた存在だった
その頃の彼はまだ不完全で、幻想しか使えなかった上その幻想も精神的ダメージから完全には使えなかった。そんななか彼はその男と一対一で戦う羽目になった
力は互角どころじゃない、向こうのが断然上だった。そのままであればただ死ぬだけだった彼は、忌まわしき禁呪に手を出した
神降ろし。とは言っても神そのものではなく、自身の体を依代として神の力のみを降ろす奇跡ではあったが。彼が降ろしたのはただの神ではなく、人の思いが作り出した偽物の神。属性は無、名をオーディン。その手には斬鉄剣とグングニル、武の極致に至っているその神を身体に降ろすことにより彼は敵を打ち倒した。もっとも、倒したと同時に気を失ったが
これで終わりならいいんだが、その後が地獄だった。起きた後、彼はそれはもう天地が変動するんじゃないだろうかというレベルで師匠に怒られた。トラウマのひとつにもなっているというか今でもあまり思い出したくないし記憶飛び飛びだけどな
「とまあ、こんな感じなことがあったなぁ...」
いまでもあれは馬鹿だなぁって思う
「怒られたってことは、その神降ろしにすごいリスクが有ったってことですよね?」
「その通り。今ならわかるけど、あの時やったことって憑依装着の応用なんだよ。ただこの技って本当はとっても危険なんだ。力と属性だけを自分の身に纏うんじゃなくて、力の持ち主の意識も降ろしてしまうんだ。だから元から話を付けているのなら別だけど、そうでないものを呼び降ろした場合そっちに乗っ取られる可能性がある。勿論そうならないように保険はかけるけど、それを乗り越えて主導権を握られる可能性もある。神なんて存在ならいとも簡単にやれるだろうな。されなかったのは奇跡に近いんだよ」
ティアナはなるほどと頷きお茶を啜る。俺も二個目のおはぎに手をつける。じゃあ、とティアナは首を傾げながら俺に問いかけた
「その、作られた神ってどういうことなんですか?」
「ああ、それはな」
ガサッ...
俺がティアナの疑問に答えようとした時、奇妙な気配となにかが動くような音が聞こえた。俺は素早く立ち上がり音の方向に運命刀を構える。今の感覚は転移というより...
「蒼炎さん、今の感覚に覚えが?」
ティアナも両手にクロスミラージュを持って警戒している。そして、ティアナが覚えの無い感覚ってことは、
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