番外編:十年後
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途中、厨房で忙しなく動いていたルドガーに指示を出しながら。
ルドガーとヴィクトルは、今は六課の食堂でコックとして働いているのだ。
そして、ヴィクトルは料理長となりルドガーは部下である。
「あのー……」
「何、スバル?」
「料理長さんってフェイト執務官のお父さんなんですか」
「うん。血は繋がっていないけど私の自慢のお父さんだよ」
そう答えながらヴィクトルの背中を様々な想いを込めた目線で見つめるフェイト。
始めは自分に父を名乗る資格はないと拒否していたヴィクトルだったが度重なる『お父さん』攻撃の前に屈して今は呼ぶことを認めている。
アルフが言うにはアリシアと一緒に責め立てた計画的な犯行だったらしい。
「それって、母親が再婚されたとかですか?」
「母さんとはそういう関係じゃないよ。でも、私を娘として愛してくれる」
フェイトの言葉にどういうことだと混乱するスバルだったが取り敢えず、最初に勘ぐったような関係でないことは理解した。
しかし、見ようによっては血の繋がっていないダイナマイトボディの美人にお父さんと呼ばせている危ない人に見えるだろう。
そんなことを若い四人が考えているところに料理が運ばれてきた。
「お待たせしました。トマトソースパスタとトマト風オムレツです」
「ありがとうございます―――って、え? 髪の色が変わってる?」
「ん? ああ、そういうことか」
料理を運んできたルドガーの顔を見てヴィクトルだと思ったティアナだったが髪の色が変わっていることに気づき困惑の表情を浮かべる。
ルドガーはそんな様子に一瞬不思議そうな顔をするがすぐに合点がいき頷く。
フェイトは困惑する四人の様子にクスリと笑いながら厨房からヴィクトルを呼び出す。
「何かね、フェイト」
「うわ!? 二人に増えた!」
「スバル、あんた幾らなんでも失礼よ。……本当に似てるのは認めるけど」
ティアナの言葉に確かに失礼だったと思いヴィクトルとルドガーに頭を下げるスバル。
その様子から自分がなぜ呼ばれたのかを理解したヴィクトルは軽く笑ってそれを許す。
「二人に増えたか……当たらずとも遠からずだな」
「ふっ、俺達を倒したところで必ず第二、第三の俺達が現れるだろう」
「ルドガーさんがどこかの魔王になってるの……それとその冗談は二人が言うとシャレになってないよ!」
「な、なのはさん!?」
突如として現れ、ルドガーにツッコミを入れたスターズの隊長なのはに驚いて慌てて敬礼をする四人。
それに笑顔で返した後なのはは呆れた様子でルドガーを見つめる。
ルドガーは十年経って今では三十歳になったが生きてきた環境の為かヴィクトルと違い大分軽い態度をとる。
まあ、一番の理由は未だに結婚して
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