第二十話
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さて、そろそろ着く頃だと思う。
なぜならば、少しだけ速度が遅くなったからだ。
「皆さん」
と、予想通りソーナ会長がやってきた。
「そろそろ着きますので、荷物を纏めてください。それと」
「よろしいですお嬢様。私から説明させていただきます」
そう言ってソーナ会長の後ろから出てきたのは見たことない人物だった。
結構お年を召しているみたいだが、その髪は金色に輝いてとても老人には見えなかった。
「お初にお目にかかります。私、ルドガー・マックスウェイと申します。シトリー家にて執事を務めさせていただいております」
「あ、これはご丁寧に、どうも」
俺は立ち上がりルドガーさんに同じように礼をする。
何だろうか。こう、気迫のような物を感じるんだよなこの人。
「ルドガーさんは人間からの転生悪魔でして、かつてはレーティングゲームの上位ランカーにも名を連ねていた方です」
「へぇ……」
俺は驚いていたが、クレア達はわからないといった感じだ。
まあ、それも仕方ないとは思うけどな。
レーティングゲームってのは、簡単に言えば悪魔同士の腕試しのような物だ。
自身の眷属同士を戦わせ、どちらがより優れた主であるかを競うというもの。
そんな戦いの上位ランカーに名を連ねていたという事は、この人は相当な実力者だという事だろう。
「いやはや、私などまだまだ。それよりも一誠様の武勲の方が優れていると思いますよ?元素精霊界との諍いを収めた英雄様ですからな」
「英雄って……俺なんかまだまだ」
「そうですかな?少なくとも」
そこまで言うと一度区切り、俺の仲間達を見渡す。
「彼女達を君は救ったでしょう?ならば、君は既に英雄だ。女性の涙を食い止め尚且つ、君は転びながらも何度でも立ち上がってこれた。目を見ればわかります。それだけで君は既に英雄ですよ」
ルドガーさんの言葉はなぜか、俺の心に深く響いた。
転びながらも、何度でも立ち上がれば英雄、か……。
「そうよ。イッセーは私達を救ってくれた人。だから、胸を張りなさい」
クレアがそう言ってくれる。他の皆……リンスレット、フィアナ、エリス、アーシア、ゼノヴィア、そしてヴァーリ。
「ほら、ね?君は既に英雄さ」
「ルドガーさん……」
「ルドガー。用件を忘れていませんか?」
と、ソーナ会長が間に入ってきた。そういえば、何で執事さんであるルドガーさんが来たのだろう?
「っと、そうでしたな。それでは、入国手続きをとらせていただきます」
そう言って取り出したのはカメラだ。
「これで写真を撮りますので、一人ひとりお願い出来ますかな?」
「わかりました。皆もいいだ
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