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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第120話 決着
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よりも早く文句を言うセカンドランナー。もっとも、これはこの場に集まった人間の総意。
 ……そもそも急ごしらえ。本来、この学校に存在しない一年九組にクラスメイトの応援と言う物は最初から存在していないのですが。

 キャッチャーからの返球を澄ました顔で受け取る自称リチャードくん。
 そうして、

「おいおい。敬遠は立派な戦術だぜ」

 如何にも心外だ、……と言わんばかりの雰囲気でハルヒの文句に応える自称リチャードくん。
 それに、ヤツが言うように敬遠も立派な戦術のひとつ。これは間違いではない。

「何言っているのよ。あんた、試合の流れや雰囲気を理解していないの?」

 俺の言いたい事をそのまま、更に言うとオブラートに包む事のない厳しい言葉を投げつけるハルヒ。もっとも、彼女の口から試合の流れや雰囲気などと言う言葉が出て来ても説得力は皆無なのですが。
 周りの雰囲気など一切無視。ひたすら我が道を行く彼女の口から。

「そう言うけどなハルヒ」

 最早、打者の俺に対して意識を割く必要もないとばかりに、ゆっくりと振り被りながら言葉を続ける自称リチャード。
 その投じられた球は山なりのスローボール。但し、立ち上がったキャッチャーに向けて投げられた球で有る以上、ストライクゾーンからは大きく外されて居り……。

「お前が呼び出したアイツは化け物だぜ。今の俺で抑える事が出来る相手じゃない」

 増して今は、朝倉におぜん立てまでして貰ったんだから、気合いも入っているしな。
 神経を逆なでするかのような口調。但し、これもおそらく真実。

 しかし――

「キャッチャー。投球する前まではキャッチャーボックス内で構えて置くように」

 次にボックス内に構えずに居たら、その時点でボークを宣告するからな。

 予期せぬ位置――野球部部員から体育教師へと変わって居た主審からキャッチャーに掛けられる言葉。
 そう言えば、キャッチャーはピッチャーが投げるまではキャッチャーボックス内から出てはいけない、と言うルールが有ったような記憶が……。しかし、こんなルールが厳格に行使された例を俺は知りません。

 ただ、このルールはもしかすると……。

「やれやれ。主人公様には野球のルールすらも追い風になると言う事ですかねっ!」

 ゆっくりと振り被っていた状態から一転、今度は素早い投球動作から投じる自称リチャードくん。しかしそれは、クイックモーションなどと言う物などではなく――

 再び俺に向かって来る直球。しかし、今度のそれは普通のプロ野球の投じるストレートの威力、及び球速。少なくとも、俺自身の身体の自由が奪われた状態で行われた第二打席のソレとは状況が違う!
 あらゆる色彩が一瞬で消滅。これは肉体強化の極限。自らに流れる時
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