第6章 流されて異界
第120話 決着
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なっても、一般人が混じるよりはマシ。少なくとも守備の穴は無くなるし、攻撃で併殺を簡単に取られる安全牌として利用される事もなくなる。
しかし、俺、そして有希や万結もそんな事はしなかった。
個人の意志を無視して行動を制御する。確かに、今回の野球に関してなら、程度は小さく世界に与える悪い影響よりは、その結果発生する良い影響。例えば、世界が危機に晒される事がない、とか、あのふたり自身も危険に身を晒す必要が無くなる、などの良い影響が多い為に、俺たちが歪むような事はない……とは思いますが……。
しかし、意志を持つ存在を、モノや機械と同じような扱いをして良い訳はない。そこには必ず悪い流れや思考、思想が発生しますから。
こう言う行為は徐々にエスカレートして行く物。逆に言えば、初めの一歩を踏み出さない限り……楽な方向に流れされる事なく、相手に自覚を促して行けば、俺たちが陰気に染まる事もなく、世界に良い流れが生まれる元となる可能性も高く成る、そう言う事。
「ここまでの試合展開から、自分の役割と言うヤツをあの二人が理解出来ないのなら、それはそれで仕方がない」
敗戦は俺の運命だった、として受け入れるしかない。
先ず、他人に指示される前にテメェの頭で考えろ、と言う事。それに有希と契約した時も、俺は彼女に自分の判断で行動しろ、と言ったはずです。
自分で物を考えない。自分で自らの為すべき事を決めない。ただ、言われたままに生きる。
そんなヤツが生きているとは言えない。それこそ正に人形だろう。
一瞬、かなり危険な雰囲気を発していた朝倉さんでしたが……。
「あの二人を信用するぐらいなら、瑞希従姉さんの飼い猫に期待する方が上だとは思うけどね」
苦笑混じりにネクストバッターズサークルで交錯する二人の男子生徒を見つめる朝倉さん。もっとも、あの二人と、瑞希さんの式神の黒龍を同一に見る事自体が間違っているのですが。
七番から始まった九回の裏の攻撃。
七番の弓月さんは、彼女の言葉通りセンター前へのヒットで出塁。
ただ、その時に――
いや、弓月さんの意図が読めない以上、彼女が術者か、そうでないのか……を問うたトコロで意味はありませんか。そもそも、彼女の来世はハルケギニア世界の大地の精霊王、妖精女王ティターニアの可能性が高い。魔法の極限に位置する精霊王に転生する魂の持ち主が、今の生で魔法に関係していない可能性は薄いでしょう。
まして、彼女は今年の二月に霊的な事件の被害者と成って居ます。
かつての俺。龍種の末裔としての血に目覚めた時の、かつての俺のように――
ただ、続く八番、九番は連続見逃しの三振。当然、その間、一塁ランナーの弓月さんは動く事が出来ず。
但し、これまでチャンスを何
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