第6章 流されて異界
第120話 決着
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は当たり前。クトゥルフの邪神が創り出した異空間でもあれだけの動きが出来る……地球出身の術者が、同じ地球。それも、東洋系の術に端を発する結界の内側で能力を発揮出来ない訳がない。
「俺としては、彼女よりも、ハルヒや朝倉さんの方が心配なんやけどね」
どちらかと言うと未だクトゥルフに近い系譜を引く彼女たちの方が、この陣の中では動きが阻害されるはず。そう成っては弓月さんの俺に対する挑戦に失敗して仕舞う事になる。
「それはどう言う意味なの?」
どうにも噛み合わない会話。もっとも、これは仕方がない事。
「朝倉さんの言った、『彼女が動き出した』はおそらく正解」
但し、恋愛感情などから発生する表の世界の動き……例えば、俺に彼女の事を印象付けるなどと言う目的ではなく、魔法や神、悪魔などが関わる裏の世界での動き。
どう言う意図があるのか、細かな内容は想像するしか有りませんが……。
例えば、俺自身の能力の確認、などが考えられるとは思いますが。
「弓月さんはこの追い詰められた状態を跳ね返して見せろ、そう言ったんやな」
七番から始まる最終回の攻撃。ただ、弓月さんが出塁したとしても、八番九番はまったく当てには出来ない一般的な男子高校生。
おそらく彼女の意図は、何らかの術を行使してでも逆転して見せろ、と言う事だと思う。
「八番九番の自由意思を奪い、操り人形化する。難しい事ではない。俺にはな」
流石に内容が危険な内容と成って来た為に、周囲に言葉が漏れないように音声結界を張りながら、しかし、普段と同じ口調でそう続ける俺。
まるで帰りに何処かに寄り道しようか、と話し掛けるような気安さで。
その瞬間――
「本当に、そんな事をする心算なの?」
僅かに細められ、少し冷たい輝きを放つ朝倉さんの瞳。これは間違いなく拒否。
もっとも、この反応も彼女の出自や、今までの会話の内容からすると予測の範疇。
但し――
「まさか。今更そんな事をするぐらいなら、あの二人に関しては最初から替え玉を用意する」
いともあっさり、先ほどの自らの言葉を否定して仕舞う俺。
そもそも、この球技大会の決勝に何か魔に関係している連中が絡んでいる事は、試合開始前から分かっていた事。それでも尚、あの御調子者とむっつり野郎を参加させたのです。それを今更、意志を奪って操り人形化する訳がないでしょうが。
もっとも、最初からあの二人を決勝戦には参加させない、と言う選択肢を採用した方が試合展開としては楽だったとは思いますが。例えば、あの二人の男子生徒を何処かで眠らせて置いて、空いた二人の位置に俺の飛霊を配置する。
術によって見た目を変えた飛霊だとしても能力は俺。確かに多少のリスクを負う事と
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