六十四話:赤龍神帝
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てみせた。
鎧の下でニヤリと笑うビズリーと対照的にルドガー達の表情は信じられないという物だ。
今までも信じられない行動を見せて来たビズリーであるがこれはいくらなんでもおかしい。
だが、ルドガー達に焦りはない。なぜなら―――本命は別にあるからだ。
『Over Boost!』
「ドライグ、後何分だ?」
『二分だ、これで決めるぞ、相棒!』
「おう!」
「赤龍帝…っ! 貴様」
砂煙の中から現れたイッセーがビズリーに殴りかかり、そのままラッシュを決めていく。
イッセーは先程まで確実にビズリーを倒すための力を溜めていたのである。
赤龍神帝の力により倍加の上限が“夢幻”となり限界を軽く超えた倍加を行ったイッセーはその力を存分に振るいビズリーに強烈な攻撃をくわえていく。
その攻撃の威力たるや、今までまともなダメージを受ける事がなかったビズリーが足をふらつかせ、為すすべなく翻弄されていることからも明らかだろう。
「小癪な…!」
「やっぱ、一筋縄じゃいかないかっ!」
だが、ビズリーとてその程度でやられる男ではない。カウンター気味に攻撃を返していく。
その攻撃は未だに衰えることなく強化された鎧の上からでもしっかりとイッセーにダメージを与えていく。
しかし、イッセーはここで引けばもう後は無いという想いで攻撃を食らいながらも殴り続ける。
拳と拳のぶつかり合い。されど、それは天災をも超える力。
大地が砕け、空は裂け、空間は引き裂かれる。
まるで世界の終りの様な光景がたった二人の男の拳によって創りだされる。
神話の如き光景の前にルドガー達は近づくことも出来ずにその戦いの行く末を見つめるだけだった。
「いい加減、倒れろよ!」
「若造如きに……倒せると思うなよ!」
雄叫びは荒野に響き渡り、拳がぶつかり合う音はそれ自体が攻撃となりルドガー達にも襲い掛かる。
そのまま均衡状態が続くと思われたが、突如としてその均衡が崩れ去る。
ビズリーがイッセーの顔面を横に殴り飛ばしたことでイッセーの攻撃が途切れたのだ。
そこにたたみかけるようにビズリーは∞の軌道でウィービングを行いその反動を利用した強烈無比の左右の連打を叩きこんでいく。
まるで、サンドバックのように左右に振られるイッセー。
その意識は既に朦朧としており仲間達の悲鳴すら聞こえない。
「これで―――終わりだ」
命を刈り取る剛腕が全力でイッセーの顔面に振り下ろされる。
まるでその瞬間だけが止まったかのようにゆっくりと飛び散る赫色と共に彼の体はゆっくりと倒れ伏していく―――
『イッセー!』
だが、彼は仲間達の声により踏みとどまった。
がっしりと両手でビズリーの腕を押えて逃げられなく
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