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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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「――――――――ッッッ!!!?」
しまった、と天峨は己の間違いに気づいた。
自分が落下したから、当然相手も同じ侵入経路ですぐに追ってくると思っていた。だが、それにしては時間差があることにすぐに気付かなかったのは、紛れもなく思い込みと冷静さの消失していた自分のせいだ。
悪態もつく間もなく、手持ちのヴィントレスと腰から素早く
抜き撃ち
(
クイックドロウ
)
したH&K MP7A1の引き金を引いた。
薄暗い室内に甲高い鉄製の咆哮が木霊するが、しかし女性は唐突に引き金から指を離す。次いで、遅々とした速度で愛銃を手放した。硝煙の香りが漂う空気を引き裂いて鉄の塊が二丁、薬莢が散らばる床に硬質な音を反響させた。
「……参ったね、これは」
ごりっ、と。
後頭部に押し付けられた
散弾銃
(
フェザーライト
)
の、まだぼんやりと熱を持った銃口が感じられる。
「確かにこれじゃあ当てられない道理はないね」
だって撃った瞬間に当たるんだもん。
ゆるゆるとホールドアップする天峨の耳に、くすりという小さな空気の震えが届いた。
「無駄弾撃ちすぎたかなー?」
「んなことないさ、学習するのも大事なことだよ」
―――まだだ。
時計の秒針を直視している時のように。
非常に遅々とした速度で両手を上げていく女性は一拍の後に口を開いた。
「一つ訊いていいかい?」
「するだけならご自由に」
なら結構、と笑いを含んで天峨は告げる。
「どうやってビルの間を移動してきたんだい?瞬間移動みたいだったよ」
「飛んできた。以上」
「………………………は」
粗野な笑いが込み上げてきて、天峨の瞳の中にギラリとした光が輝きを取り戻した。
拳銃
(
ハンドガン
)
というのは、他の銃器とはコンセプトの段階で発想が違うものかもしれない。
機関銃は、携行性能と破壊力の"両立"
重機関銃は、ただ単純な殲滅力の"向上"
だが、ハンドガンはいかに四六時中携行できる兵器たるかを追及されたものだ。今日でその携行能力は、それこそ携帯のストラップサイズの拳銃があるほどだ。
だが、この少年はその真髄をまるで理解していない。それはここまで、戦闘とすら呼べないイジメじみた一方的な蹂躙を改めて見直して得られた、数少ない戦果だ。
加えて、"敵の身体に銃口を接触させることの危険性"も、同様に彼は知らないのだろう。
よく、テレビや映画などでよく見る行動だが、素人ならともかく玄人の傭兵などになると、これをする輩はほぼいない。なぜなら、銃口を相手に押し付けるということは、同時に相手に銃口の位置がどこにあるかを伝えているようなものだ。そして銃口の位置が分かるということは、それほど対処を考えさせるチャンスを与えて
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