第5章 極寒の雪原の中で ~ローゼンリッターの意地~
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いであったが、こう思わなきゃやってられなかったし、出撃前のあのくそ将官からの言葉が最悪であった。
今思い出すだけでもはきそうになるが話しておこう。
私たちは出撃前の最終演習でハイネセン首都防衛軍で名高い「第55白兵戦教導連隊」を相手に白兵戦演習を行った。
もちろん、結果はこっちの圧勝。
こっちの損害は戦死判定2、負傷判定5であったが向こうは戦死判定198名、負傷判定350名で参加した1個戦闘大隊戦闘団はほぼ全滅した。
これを評価したハイネセン首都防衛軍副司令官のトーマス・パウエル中将は
「たまたま、教導連隊が不調だっただけで
ローゼンリッターの寄せ集めのキャベツ集団に何ができる?
ローゼンリッターは幾分信用できん。何せ、連隊長が帝国にあんな理由で寝返るくらいの弱小集団なんだからな。
いくら武勲があってもそれは奴らの何人もの死体の上に成り立っているただの人海戦連隊だ」
などなど、言いたい放題言まくってローゼンリッター隊員で編成されたわが部隊のことをけなしにけなしまくった。
これに怒り心頭になったリンツ中尉は降下開始前にローゼンリッターたちを集めて
「今回の攻略戦の手土産は敵将の首ではなくパウエル中将にささげる帝国兵士の血で塗られたバラ束だ。」
という冗談か、本気かわからないような訓示を一言述べて出撃した。
ローゼンリッターのなり損ないとはいえ、自分はローゼンリッター隊員だ。という意識を持ち、この戦いで自己の武勲ではなく部隊としての武勲を上げようと思った。
ローゼンリッター復興のために。
全隊員が同じ気持ちで戦っていたのだ。
負けるわけがないし、負ける気もしない。
そんなことを思いながら、トマホークを振り下ろす!
ガキーン!
トマホークがぶつかる。
返し面で擲弾装甲兵の脳天を突き破る。
7人目。
擲弾装甲兵たちは後ずさりし始めた。
「さあ、さあ ローゼンリッターにかかってくるやつはいないのか!?
こなかったら俺たちが相手してやるぜ!」
と言って、ジェフリーズ軍曹が切り込みに行く。
周囲の隊員たちも切りかかる。
我々の連隊は本当は軍紀違反ものではあるが、左腕の部隊認識表示のパッチをローゼンリッターのパッチにしている。
ローゼンリッターじゃない隊員たちもローゼンリッターに敬意をこめてそれにしている。
・・・・・・
10分後、擲弾装甲兵2個小隊は全滅した。
リンツ中尉に
「こちら、シュナイダー少尉。
担当地区の制圧を完了。
目標地点に向かう。
どうぞ。」
中尉―「こちらリンツ中尉。
問題発生だ。
敵のR-45山岳地帯駐屯の帝国軍第77山岳猟兵装甲連隊1個大隊分の装甲擲弾兵と約70両の装甲車がこの基地に向かってきている。
至急、対戦車ミサイル陣地の構築かこの基地の対地迎撃火器管制室の制圧
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