暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
オープニング
Story2:デジモンとの遭遇 vsクリサリモン
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そんな羨望と苦汁を経て、ようやく…ようやく俺は、デジモン(かれら)と出会えた! なんと嬉しいことだろうか…ッ!!
「おい、三体とももらってもいいのか!? いいよな!」
「……君は人の話を聞いていないんだな。進呈するのは“一体”だけだ」
「なんでだよ!? 三体もいるんだから三体共もらってもいいだろ!?」
「…君、キャラ変わってないか?」
そんな事、知ったことか! お前なんかに俺の想いがわかってたまるか!
そう思った俺はこの興奮をそのままに、彼らを目一杯視界に取り込んだ。これが今の“現実”なんだと、身体にわからせるように。
―――――この時、タクミは気づいていない。
彼の後ろにいる、未だ名乗らない白い服の彼が…先程タクミに見せた、面白味から出た笑みではなく……
もっと純粋な感情によって生まれた―――柔らかい笑みを浮かべていた事に。
……よし、堪能した!
「…もういいかい?」
「あぁ、悪いな話の腰を折っちまって」
構わないさ、と俺の謝罪に応える青年。いやいや、中々に興奮していたな。軽くデジモン達が引いているように見えるのは、気のせいだと思いたいな。
「とにかく、君に進呈できるデジモンは一体だけだ。―――君は、どのデジモンを選ぶ?」
そうか、やっぱり一体だけか……仕方ないな……
「…俺は彼ら全員を選ぶ!」
「やっぱり君は何もわかってないな!? 仕方ないって思ったんじゃないのかい!?」
だって…だってこいつらの中から一体だけなんて、やっぱり無理だ! せ、せめて二体にしてもらえるように…!
そう思って交渉しようとしたその時、突如何者かの“雄叫び”が響き渡った。その咆哮に俺達二人だけでなく、後ろにいるデジモン達も体を震わせた。
その後一瞬の間もなく現れたのは、硬い外皮と背部から伸びる六本の触手を持つ、蛹のようなデジモン―――クリサリモンだった。
クリサリモンが現れたと同時に、三体のデジモンの表情が変わった。そして奴から逃げるようにクーロンの奥地へと走り去ってしまう。クリサリモンはそんな三体を標的として考えているのか、彼らを追う様に同じくクーロンの奥地へと向かって行った。
「…せっかく用意したデジモンに、逃げられてしまったな」
そんな彼らの様子を見て、青年はそう言い放った。それはどこか冷めた、冷酷な言い方だった。
「何、デジモンならいくらでもいる。すぐに代わりを見つけよう…少し待っていてくれ」
「…なんだと?」
「しかし、驚いたよ。このエリアに、あんな強力なデジモンが出現するとはね。程度の低いハッカーが悪ふざけで放したか…あるい
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