暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
オープニング
Story2:デジモンとの遭遇 vsクリサリモン
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チャー』を手に入れたからって、必ずハッカーにならなきゃいけない訳じゃないだろ? 別にハッキング行為を行わなければ、一般的にはハッカー扱いはされない」

「…ふむ、確かに」

「だから俺は、今のところハッカーになるつもりはない。だからどんなハッカーを目指すか、なんて質問には答えられないんだわ」


 俺がそう言うと、彼は再び顎に手を当てて目を瞑った。


「なるほど、君はそう言う道を選ぶのか。確かに、間違った選択ではない。決めるのは君の自由だ。
 だが、経緯はどうあれ、君はハッカーに興味を抱いてここまで来て、その結果『デジモン・キャプチャー』を手にした……そうだろう?」

「…確かにそうだな。無理矢理感は半端ねぇけど」

「だったら、試してみるといい―――『デジモン』と呼ばれるプログラムの、驚くべき力を」


 なん、だと…!? と俺は彼の発言に、両目を大きく見開いて驚いた。
 青年は俺のあからさまな反応を嬉しく思ってか、再び小さな笑みを浮かべて笑った。そして俺の背後を指差し、俺の意識を誘導する。


「未来のハッカーの誕生を祝して…君に、記念すべき一体目のデジモンを進呈しよう」


 だからハッカーになるつもりは、と思ったが、その後の言葉によって俺は彼の思うがままに、その方向へと視線を移した。
 そこにいたのは…


「あそこにいる…あれが『デジモン・プログラム』だ」


 クーロンの、そのままに放置されたブロックの隙間や背後から顔を出したのは、三体のデジモン。

 大きい耳を器用に動かしてアピールしている、愛くるしい表情が目を引く、ワクチン種の獣型デジモン―――テリアモン。
 頭の上にある大きな花や蔦のような足で、光合成や養分を吸い取る、データ種の植物型デジモン―――パルモン。
 身体全体が歯車のような姿をしており、常に体内の歯車が回転している、ウィルス種のマシーン型デジモン―――ハグルモン。

 彼らは俺に対してだろうか、はたまた後ろにいる青年にだろうか、何やら嬉しそうにアピールしていた。
 ―――だが、今気にすることはそんなことではない…!


「三体の内、選べるのはい―――」

「すげぇ! マジすげぇ! テリアモンにパルモン、ハグルモンだ! おいおいマジかよ、本当にデジモンだぁ!!」


 今はこの興奮をどうにかしないと収まらないッ!!
 だってデジモンだぜ!? あれだけ憧れた、羨ましく思った、懐かしくもあるあのデジモンだぜ!?

 彼らのような冒険をどれだけ望んだことか! 彼らのような出会いをどれだけ追い求めたことか! 彼らのような情熱をどれだけ探し続けたことか!
 それでもやはりあれは作られた物語の中の話だと、どれだけ現実を突きつけられたか……

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