case.3 「歩道橋の女」
U 9.6 am8:33
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。」
俺はそれを聞いて顔を引き攣らせた。
宮下教授は分かるが、なぜ天宮氏まで…?何の関係があるというんだ!?
「どうやら佐藤神父と個人的な知り合いだったようですよ?教会にオルガンを設置したのは天宮さんだそうですし、第一この街は、先代の天宮雅隆氏の育った場所ですからね。」
一体どこでそんな情報を…!?まぁ、インターネットってやつで調べたんだろうが…どうやって拾ってくるのやら…。謎だな…。
「先代…か。」
「先生、廃病院のことを思い出してるんですか?」
顔を曇らせた田邊に俺は笑って誤魔化したが、確かにあの廃病院のことを思い出していた。
何か繋がりがあるような…。
あるとしたら、それはかなり嫌だな。無関係なことを祈ろう…。
しかし、この違和感はなんだろう?佐藤神父はただ闇雲に動き回っていたわけじゃないはずだ。
田邊の言っていた“ペンタグラム”だとしたら、一体何をするためにそんな真似を?
俺があれこれ思考を巡らしていると、田邊がポツリと呟いた。
「悪霊払い…。」
「それだ!」
田邊の一言で、まるで雲が晴れたような気分になった。これなら説明がつくからだ。
「お前らなぁ…。俺のこと忘れてやしないか?一応、ここへは事情聴取に…」
松山さんが再びぼやき始めたので、俺はニッコリと笑って言ったのだった。
「本当に申し訳ありませんね。ついでなんで、歩道橋についての情報が他にないですかねぇ?」
俺の笑顔にギョッとした松山さんは少しだけ後退ったが、咳払いをしてそれを誤魔化し、「少しだけだかんな?」と言って話し出した。
「ここ数年で八人亡くなっている。全員が佐藤神父と同じ様な状態で発見されていて、全て自殺で処理されてる。」
「全員男性で、恐らく同い年なんじゃないですか?佐藤神父は例外で。」
「……ッ!」
俺が言うと、松山さんの顔色が変わった。どうやらビンゴのようだ。
「それから、全員九月上旬に亡くなっていますね?」
「おいっ!お前知ってて揶揄ってんだろ!?」
今度は真っ赤になって怒り出してしまったので、俺は松山さんをなだめるために答弁に入った。
「いや、何も知りませんでしたよ。しかし、この状況から推測すると、今言ったようなことが考えられたと言うだけです。」
俺がそう言った後、今までパソコンと睨めっこしていた田邊が会話に割り込んだ。
「だとすると先生、やはり霊的な何かが起因していると?まぁ、その方がシックリきますけどね。」
松山さんは田邊の言ったことに眉を潜めたが、俺は気付かなかったことにして話を進めることにした。こんなとこでいつまでも押し問答していても仕方ないからな…。
「ま、そんなとこだな。しかし、こうなると大本に何があったか調べないと…。」
アメリカやヨーロッパの一部では、既に心
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