2部分:第二章
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はあることに気付いた。
「先生と言っていることが違うよ」
「あのね、良太」
先生のことが出たところで源五郎の顔が微妙な感じになった。それからまた彼に対して言うのであった。
「先生がいつも正しいとは限らないよ」
「そうなんだ」
「特に最近の先生はね」
こうも言い加えてきた。
「酷い人が多いから」
「そうだったんだ」
「戦争が終わってから急に酷くなったんだ」
彼はさらに言う。
「終わってから本当に。先生は酷くなったよ」
「それも言っていることが違うよ」
良太には話がわからなくなってきた。先生の言っていることと自分のお爺ちゃんの言っていることのどちらが正しいのかわからなくなってきたのだ。
「それも」
「こう教えているんだろう?」
源五郎にはもうわかっていた。
「戦争前の先生は暴力的で厳しかったって」
「うん」
その通りだった。言い加えればしかも教育の内容も間違っていた。そう全否定されているのである。彼はそれを知っているのだ。
「けれど。多分今の方がずっと酷いね」
「そうなんだ」
「昔は。幾ら何でも感情的に暴力を振るう先生はいなかったよ」
今の教育ではそうした教師がまま見られる。一番恐ろしいのはそうした教師が最近までは何のお咎めもなしだったことだ。これを腐敗と言わずして何と言うのだろうか。
「ちゃんと教育を受けたしっかりした人が多かったからね」
「ふうん」
「少なくともこれだけは覚えておくんだ」
そう前置きして言い加えてきた。
「先生の言うことがいつも正しいとは限らない」
「それをだね」
「良太もそろそろ自分で考えてもいい頃だし。色々な先生を見ていくといいさ」
「見ていたらわかるんだね」
「そうさ。常識を踏まえてね」
そう良太に語る。
「そうして考えていけばいいよ」
「わかったよ。それじゃあこれからそうして考えていくよ」
「御願いだよ。さて」
ここで公園に着いた。そのアジトのある公園だ。夕方もかなり深くなり夜が近付こうとしていた。公園は橙から紫、そして黒になろうとしていた。
「ここだけれど」
「場所、知ってるんだよね」
「勿論」
そう良太に答えた。
「ここも。変わったな」
「変わったんだ」
「昔は何もなかったんだ」
公園を見ながら言う。今公園は木々が溢れ様々な遊び道具も置かれている。ブランコもあれば砂場もある。まさに子供の遊び場だ。
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