第二百四十話
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第二百四十話 先生の新しい宝もの
今田先生はそのビー玉達を七人が帰った後もにこにことして見ていた。その今田先生に今日子先生が問うた。
「嬉しい?」
「とてもね」
これが先生の返事だった。
「嬉しいわ」
「生徒の娘達が皆ちゃんと宿題をやってきてくれて」
「そのことがまず、なのよ」
「香ちゃんにとっては嬉しいことなのね」
「皆いい娘達で何よりだわ」
「そうよね、それにね」
「皆が造ったそのビー玉がね」
今度はそのビー玉の話をするのだった。
「どれもとてもよく出来てるから」
「余計に嬉しいのよね」
「そう、だから今凄く嬉しいの」
「ただ嬉しいだけじゃなくて」
「凄くなのよ」
嬉しさのレベルが違うというのだ。
「本当によかったわ」
「そうね、私もね」
今田先生の言葉を受けて今日子先生も言う。
「今凄く嬉しいわ」
「そうよね、今日子ちゃんもね」
「私の生徒でもあるから」
「生徒の娘がこうしてちゃんとしてくれてると」
「嬉しいわね、いい娘達でよかったわ」
「そんないい娘達が私達の生徒ですくすくと成長してくれていて」
魔女としてだけでなく人としてもだ、先生達はただの魔女ではなく七人を人生のうえでも見守っているのだ。
それでだ、こうも言うのだ。
「本当によかったわ」
「このままね」
また言う今田先生だった。
「あの娘達には大きくなっていって欲しいわね」
「同感よ」
「あの娘達がこのまま立派になっていく様に」
「私達もちゃんとしないとね」
「まずは先生がしっかりしないと駄目だから」
教えるその人がというのだ。
「そもそもね」
「駄目な先生がいい教育出来る筈ないから」
「そう、私達もね」
「しっかりしないとね」
今日子先生も頷いて応える。
「駄目よね」
「だから立派な先生になる為に」
「私達も頑張らないとね」
「二人でそのこともね」
「やっていきましょう」
最後は二人のこともお互いで話した、そのうえで先生達は生徒達の宿題の完成と出来栄えを喜ぶのだった。
第二百四十話 完
2015・5・22
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