雷鳴響く
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「やべぇ・・・動けねぇ・・・」
水天竜モードはやっぱりきつかったかな?魔力がほとんど残ってねぇぞ・・・
「おめぇよぉ・・・後先考えんのも大切だぜ?」
そんな俺にカミューニが仰向けのまま話しかけてくる。
「後のことなんて考えてたらお前には勝てなかったよ・・・」
「確かにな・・・」
俺たちは苦笑いを浮かべる。くっそ・・・これどうやって簡易ベースまで戻ればいいんだ?
「一つ聞いていいか?」
「・・・何?」
「ハデスを倒す策はあるのか?」
「ないな」
俺はカミューニの問いに即答する。ハデスはマスターをも倒すほどの魔導士だ。そう簡単に勝てるはずはないだろう。
「でも・・・俺たちには家族がいる。みんなで力を合わせれば、勝てないはずはない」
俺がそういうとカミューニはフッと笑う。
「いいな・・・仲間・・・俺にも仲間がいれば、ハデスに勝てたかもしれねぇ・・・」
「お前には仲間以上の者がいるだろ?」
「何?」
カミューニはこちらに頭だけ傾かせる。俺も同様にカミューニに頭を向ける。
「メルディって子のために、ここまでやってきたんだろ?」
「・・・ああ」
カミューニは笑みを浮かべる。自分のことをわかってくれた存在に会えたかのような笑みを。
「くっ・・・」
俺は体を起こす。さっきまでの戦いで身体中ボロボロだし、水天竜モードを使ったから、魔力がほとんど残ってない。
「水竜。こっちに来れるか?」
「?」
俺はカミューニに呼ばれ、そちらに這いつくばるように向かう。すると、カミューニは手に何かを出す。それは・・・
「水?」
「俺の残りの魔力だ。あんま残ってねぇが、ないよりはマシじゃナァイ?」
俺はカミューニの顔を見る。その顔はゆっくりとうなずいてみせる。
「食ってくれ。ハデスを倒すために・・・」
「いいの?」
「俺の意思も持っていってくれ・・・」
「ありがとう」
俺はカミューニの手にある魔力の水を吸い込む。すると、体に力が少しではあるが戻ってきた。
「ありがとうカミューニ・・・さん」
「呼び捨てでいいよぉ。おれたちぁさっきまで敵だったんだぜ?」
「そういうわけには・・・」
俺たちはそんな話をしていると、不意におかしくなってきて吹き出してしまう。
「じゃあ、俺はこれで」
「ハデスを倒せよ」
「えぇ」
俺は簡易ベースに一度戻ろうとすると、
「あ、それと――――」
カミューニさんに呼び止められた。
簡易ベースにて・・・第三者side
「あ・・・」
「ど・・・どうなってんだこりゃあ・・
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