食料庫の異変
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こで俺は見た。見てしまった。
本来なら、入ってすぐに正面に屹立する緑色の綺麗な石英が目に入るはずなのだが、そこにあったのはただただ緑色の何かに取り付かれたそれの姿。
巨大な植物が寄生していた。
「……なんだ、ありゃ」
「……ん? 貴様、何者だ!」
ふと、声のした方を見ると、モンスターの頭蓋骨なのか、何か白い骨のドロップアイテムを頭に被った上半身裸の変態紳士。……いや、あれでは紳士に失礼か。
カラカラのコスプレイヤーがそこにいた。
カラカラって(笑)
なんだよ、シリアスかと思ったらギャグパートかよ
よく見たら、フードを深く被ったローブの集団も複数人いた。あのローブの下にはピカチュウのコスプレでもしているのだろうか
「レヴィスのやつは何を……。まぁ、いい。これを見られた時点で、帰す気などなきからな。殺れ! 食人花!!」
カラカラが指示を出すと、出るわ出るわあの植物モンスターの数々。
リヴェリアさんの話では女とのことだったが、こいつは男。仲間か?
とりあえず、どうやらネタなのはやつらの格好のみであって、かなりマジな雰囲気だ。たく、ギャグパート終わんの早いっつーの
襲ってくる植物の数は余裕で五十を越えている。これほどの数を操る調教師なんぞ、【ガネーシャ・ファミリア】の連中のなかでも見たことがない。
帰す気はないというのはどうやら本気で言っているようだ。
でもさ、こっちは戦車だぜ?
「遥かなる蹂躙制覇オオオ!!!」
手綱を振るい、一気に駆ける。それだけで、直線上にいた植物のモンスターは潰され、焼かれ、あるいは吹っ飛ばされていく。戦車の前に障害なし!!
「なっ!?」
驚いているカラカラ野郎を横目に、俺は旋回。そのまま入り口を目指す。ここで戦うことはしない。戦況は現時点では有利ではあるが、一人で、しかもあの巨大植物が動き出せば確実にこちらが不利になる。悔しいが、ここは撤退するしかない。
「逃がさぬぞ!!」
カラカラ野郎が植物にさらに指示を出す。面倒だ。追ってこられても困る。
手綱を握りながら俺は言葉を紡いだ。
「【聖女を求め狂った騎士は、禁忌の術に手を染める】」
【ゴルディアス・ホイール】を行使しながらの詠唱。だが、これくらいなら俺にとっては容易いことだ。
「【プレラーティーズ・スペルブック】」
現れたのは人の皮で包装された一冊の本。
デスマスクと半裸の美少年が描かれたそれは、術者である俺ですら少しデザインに頭を悩ませる代物だ。
……まぁ、原作の持ち主がキャスターだから仕方ないか
キャスター、真名はジル・ド・レェ。
フ
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