暁 〜小説投稿サイト〜
ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
食料庫の異変
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
こで俺は見た。見てしまった。

本来なら、入ってすぐに正面に屹立する緑色の綺麗な石英(クオーツ)が目に入るはずなのだが、そこにあったのはただただ緑色の何かに取り付かれたそれの姿。
巨大な植物が寄生していた。

「……なんだ、ありゃ」

「……ん? 貴様、何者だ!」


ふと、声のした方を見ると、モンスターの頭蓋骨なのか、何か白い骨のドロップアイテムを頭に被った上半身裸の変態紳士。……いや、あれでは紳士に失礼か。
カラカラのコスプレイヤーがそこにいた。

カラカラって(笑)

なんだよ、シリアスかと思ったらギャグパートかよ

よく見たら、フードを深く被ったローブの集団も複数人いた。あのローブの下にはピカチュウのコスプレでもしているのだろうか

「レヴィスのやつは何を……。まぁ、いい。これを見られた時点で、帰す気などなきからな。殺れ! 食人花(ヴィオラス)!!」

カラカラが指示を出すと、出るわ出るわあの植物モンスターの数々。
リヴェリアさんの話では女とのことだったが、こいつは男。仲間か?

とりあえず、どうやらネタなのはやつらの格好のみであって、かなりマジな雰囲気だ。たく、ギャグパート終わんの早いっつーの


襲ってくる植物の数は余裕で五十を越えている。これほどの数を操る調教師(テイマー)なんぞ、【ガネーシャ・ファミリア】の連中のなかでも見たことがない。
帰す気はないというのはどうやら本気で言っているようだ。

でもさ、こっちは戦車だぜ?

遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)オオオ!!!」

手綱を振るい、一気に駆ける。それだけで、直線上にいた植物のモンスターは潰され、焼かれ、あるいは吹っ飛ばされていく。戦車の前に障害なし!!


「なっ!?」

驚いているカラカラ野郎を横目に、俺は旋回。そのまま入り口を目指す。ここで戦うことはしない。戦況は現時点では有利ではあるが、一人で、しかもあの巨大植物が動き出せば確実にこちらが不利になる。悔しいが、ここは撤退するしかない。

「逃がさぬぞ!!」

カラカラ野郎が植物にさらに指示を出す。面倒だ。追ってこられても困る。

手綱を握りながら俺は言葉を紡いだ。

「【聖女を求め狂った騎士は、禁忌の術に手を染める】」

【ゴルディアス・ホイール】を行使しながらの詠唱。だが、これくらいなら俺にとっては容易いことだ。

「【プレラーティーズ・スペルブック】」

現れたのは人の皮で包装された一冊の本。
デスマスクと半裸の美少年が描かれたそれは、術者である俺ですら少しデザインに頭を悩ませる代物だ。
……まぁ、原作の持ち主がキャスターだから仕方ないか

キャスター、真名はジル・ド・レェ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ