マブラヴ
1018話
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からないとばかりにキョトンとした恭子だったが、次の瞬間には急激に頬を赤く染めて叫ぶ。
周囲にいる者達は、非常警報が鳴って深刻そうな表情で話していた恭子がいきなり顔を真っ赤にして叫んだのを見て、意味が分からないといった表情を浮かべる。
まぁ、そうだろうな。傍から見ていてそれを理解出来る方が難しいだろう。
そんな恭子の横で、斯衛の女が溜息を吐きながら口を開く。
「アクセル代表、申し訳ありませんが恭子様はこう見えても非常に初心で純情な乙女です。出来れば、その類のからかいは止めて欲しいのですが」
「ちょっと如月、聞き捨てならない事を言わないで頂戴。まるで私が男の方と付き合った事がないみたいに……」
「あるのですか?」
慌てたように言葉を紡ぐ恭子だったが、如月と呼ばれた斯衛の女はあっさりとそう返す。
この辺、冷静な如月と慌てている恭子の差がよく出ている。
「その……崇継さんとなら……」
「それにしたって、話だけですよね? 別に深い関係になったという訳でもありませんし。……大体、そんな事になっていれば今頃大騒ぎですよ?」
「……」
完全K.O.ってのはこんな感じなんだろうな。
「さて、恭子様が納得されたところで……」
「してないんだけど」
「な・っ・と・く・し・た・と・こ・ろ・で」
「……」
再び貝の如く口を噤む恭子。
この2人の関係が垣間見えてちょっと面白いな。ここまで案内された感じだと、恭子に振り回されっぱなしにしか見えなかったんだが。
「ともあれ、出撃をするのなら早いところ出撃しましょう。幸い私達の瑞鶴も念の為に運び込まれていますから、後は基地司令に許可を貰うだけです」
「……そうね。色々と……本当に色々と言いたい事はあるけど、それは後回しにしましょう。今はとにかくこの危機を乗り越えなくては」
「はい。そもそも、相手は2000から3000匹程度の連隊規模のBETA。今の私達であれば、それもハイヴの内部ではなく外での戦いともなれば、どうとでもなります」
笑みを浮かべてそう告げる如月だったが、何だか言っている内容が色々と違ってきているよな。
「と、とにかく! この場は私達に任せて、アクセルさんは避難を……と言っても聞いてくれないのでしょうから、せめて基地内の安全な場所に避難して下さい」
「避難、か。だろうな。まぁ、本当にどうしようもなくなったら俺が出る事も有り得る。今はお前達の全力を見せてくれ」
その声が聞こえたのだろう。周囲で俺と恭子の話を聞いていた者達が安堵の息を漏らす。
いやまぁ、先程の男の話云々ってところで既にかなり緊張は解れてきてたんだけど。
この辺、もしかして狙ってやったのか? そんな風に思いつつも、先程のやり取りを思い出せばそうではない。
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