第五十八話
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さて、あれから二週間が経ち、五月も中旬。
この二週間、俺たちは久々の平穏を満喫していた。
未来へと行っていた事はちゃんと母さんに説明し、心配され、受け入れてもらえた。
黙っていてもよかったのだけれど、フェイトの技量は今朝の物とは段違いだったし、母さんに隠しとおせるとは思えなかったからだ。
エルグランドの件に関して、俺達については意外と簡単に形がついた。
エルグランドが掴まったわけではない。
グリード・アイランドから持ち出した物の一つを使ったら結構簡単だった。
何を使ったかって?
指定カードNo014『縁切り鋏』だ。
この鋏の効果は、会いたくない人の写真をこの鋏で切ると二度と会うことは無いというものだ。
必要なアイテムを引いた残りの5個を何を持ち出すか悩んだ結果、上位に上げられたものの一つがこれ。
力を持っている俺達を利用しようと近づいてくるかもしれない輩と縁を切るための物だ。
映像データはソル達が撮ってあるからそれを変換してプリントアウト。
写真として印刷されたそれを一人一枚、母さんや久遠、アルフも含めて全員で切り刻んだ。
効果を信じればこれで二度と会うことは無いだろう。
しかし、やはり俺たちに平穏は似つかわしくないようで…
未来へ行っていたために忘れかけていた学校生活もようやく慣れ、中学校から家に帰りリビングに入ると俺を出迎える声が上がる。
「あーちゃん、お帰りなさい」
「お兄ちゃんお帰り」
「お帰りなさい、アオ」
「お帰り」
「お帰りだよ」
「くぅん」
「お帰りや〜」
母さん、なのは、フェイト、ソラ、アルフ、久遠、それと…えっと?
あれ?
「ただい…ま?」
そう言ってリビングを見渡すと、そこにはショートカットの小柄らな見慣れない女の子がソファに座っていた。
「ええっと?」
誰か説明、と視線を向けると母さんが答えた。
「この子は八神はやてちゃんって言うの」
ああ…うん。それはなんとなく分かってた。
って!ちょっと待った!このパターンは以前どこかで!?
「今日私が図書館に行った時に知り合ったのよ。それで、どうやら今日は親御さんが出かけてて家に一人らしいから今日の夕ご飯に招待したの」
あああああっ!
ごめん…母さん…本当に、ほんとーに…尊敬しているし、愛しているんだけど言わせて欲しい。
またお前か!
この世界におけるフラグメーカーは絶対母さんだ!
久遠もそうだし、フェイトの時も!!
なんでそう言ったフラグを建てられるの!?
やーーめーーーてーーーー;;
そんな俺の心の葛藤はさておいて、なのは達を見るとどうやらずいぶん打ち解けている。
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