第五十八話
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
水中に突っ込んだ手をはやてちゃんが取ったようで、
ばちゃーーーん
そう音を立ててなのちゃんとフェイトちゃんが水中に引きずりこまれた。
「「「ぷはぁっ!」」」
三人仲良く水面に出て空気を求めた。そして…
「くっ…」
「くすっ…」
「ぷっ…」
「「「あははははっ」」」
三人の笑い声が響いた。
もうすっかり友達ね。
真昼間から市営の図書館なんかに居るから訳ありだと思ってたけれど、本人に聞くと休学中らしい。
しかし、何で休学をしているのかまでは分からない。不登校だろうか?
車椅子に乗っているから事故かとも思ったけれど、障害を持っている子供も今は普通に通えるように学校側も整備されているし、このあたりの小学校はすべてバリアフリーが実装されていると聞いた。
だから休学はおかしいと問うたら、原因不明の病気らしいと答えたはやてちゃん。
原因が不明ならば病気では無いような気がするのだけれど、一応感染性のウィルスとかでは無いらしい。
とは言え、分かってないから原因不明なのだろうけれど…
どうやらだんだん足が動かなくなっていっているらしい。
医者も匙を投げるほど(親身になってくれる先生は居る)だって笑って教えてくれたはやてちゃんに、私は少しショックだった。
仲良くなった私は、家の子達を紹介しようと夕飯に少し強引に誘うと最初は遠慮していたのだけれど、親御さんが許さないかな?との問いかけにしどろもどろになりながら、今日は両親とも不在だといい、だったらなおの事と強引に誘ったのだけれど、両親の連絡は自分がすると、どこか強引にごまかされた感じだ。
一応、最近出来た家のお風呂はすごいのよ、と自慢して、入っていきなさいと進めると、足を理由に断ったけれど、入浴の介添えなんて苦じゃないわ。
そう言って強引に彼女の家まで代えの下着を取りに行ったんだけど…
強引に家に上がったのには理由がある。
はやてちゃんのあの必死さ、アレは…
はやてちゃんの側を離れないように心がけつつ隙を突いて影分身を一体作り出す。
その影分身は気配を消して家の中を見て回る。
はやてちゃんが用意が出来たという言葉を合図に影分身を回収する。
…そう、やっぱり。
真新しい仏壇に遺影が二つ。
おそらく彼女の両親のものだろう。
どうして一人で生活しているのかは分からない、けれど…大人として、こんな子供を一人にして置ける訳は無い。
私がしてやれることはあんまりなかも知れないけれど…だけどこの出会いが良き物となりますように。
side out
さて、入浴後、母さんが来るまではやてを家に送り届けると皆をリビングに集めた。
いつもの家族会議である。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ