暁 〜小説投稿サイト〜
英雄は誰がために立つ
Life8 Is he Lover? NO! Father or Brother
[4/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「何ですか?会長!!」
 「話が進みません。退いていなさい」

 ガッーーーーーーーン!!

 ただ努力はしても届くとは限らないわけだが。
 ソーナの命令に、肩をしょげさせて退く元士郎。
 それを眼で追いはするものの、今の会話について何も言わない士郎。追求したら、何かしらの墓穴を掘りそうで、恐れているのだろう。

 「士郎君」
 「ん?」
 「先ほどは失礼しました。確かに、少々浮ついていた発言でした」
 「いや、自覚があるなら構わない。それよりも、早く言って欲しい。如何してソーナの眷属全員いるんだ?」

 士郎に促されるソーナは、まず、軽く咳払いをする。

 「では直截に。士郎君の修得している戦闘技能の幾つかを、私たちにご教授願いたいのです」
 「別にそれは構わないが、ただ一つだけ聞きたい事がある」
 「何でしょう?」
 「如何して何人か、得物を持ってるんだ?」

 約束の時間に来た時から、ソーナの眷属達は何故か得物を携えて、或いは剣呑な空気を纏ってもいた。

 「まずご教授願う前に、士郎君の強さを私たち自身で実感しておきたいのです」
 「何の意味があるんだ?」
 「私たちは純血や転生の違いあれ、悪魔です。そんな私たちを指導するのが人間ならと、相応の実力が問われると思います」
 「頼んでる側の割りには、随分上から目線だな?」

 客観的にも上から目線に思えるソーナの発言に、士郎は訝しみながら眉を顰める。

 「そうですね。自覚はしています。ただ、シトリー家の次期当主として体面上、確かな理由も無く、頭を下げるわけにもいかないのが実情なのです」
 「だからシトリー家の本邸の目の前かつ、周りに居るギャラリーたちの前で証明しろと?」

 士郎が評したギャラリーとは、シトリー家に使える給仕に執事たちだった。

 「行きます!」

 士郎の返事も聞かずに勝手に開戦宣言をするソーナ。
 それに続いて周りの眷属たちも士郎に向かって行く。
 此処に、士郎1人対ソーナ・シトリー及びソーナ・シトリー眷属全員との戦いの火ぶたが、切られた。


 −Interlude−


 現在ソーナたちは、士郎に戦闘技能を1人ずつ、説明を受けていた。
 本邸前に集まっていた給仕と執事たちは、既に解散して自分たちの仕事に戻っていた。
 因みに、開戦してから今は1分後である。

 「如何してそんなに不機嫌そうなんだよ?」
 「不機嫌ではありませんが?」
 「嘘つけ!ぶすっとした奴が言う事じゃないな」

 士郎の指摘にソーナは、普段と変わらぬ表情で返事をするが、それを嘘と言う。

 「何時もと変わりありませんが?」
 「何言ってるんだ?全然いつもと違うだろ!眉が両方とも僅かに吊り上がってるし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ