Life8 Is he Lover? NO! Father or Brother
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特訓1日目
「フゥーーーー、コォーーーー」
小猫は士郎の指導の下、様々な中国拳法の中から八極拳を選び、基本から学ぶために練功中だった。
中国拳法の中で、仙術と最も相性がいいのは太極拳だが、小猫は敢えてそれを避けた。
恐らくは、未だ自分を曝け出すこと自体に忌避感を持っている為だろう。
だが、そんな思いから逃げる様にとは悪く聞こえるが、かなりの熱心さと元々の才能のおかげで、基本の動きは現時点までにほぼ完ぺきに仕上がっていた。
「そろそろ時間だな。キリの良い所で昼食にしようかー?」
「――――は、はい!」
士郎の遠くからの呼び出しに、素直に応じる小猫は駆け足で近寄る。
「っ!?」
ただ焦りにより、注意が散漫になっているのか、地面の何処かに躓き踏みとどまれずに途中で転んでしまった。
「むぐ!――――」
一時の時間も惜しむ小猫は、直に立ち上がろうとした処で妙な浮遊感により勝手に立ち上がれた。
「大丈夫か?」
「あ・・・・・・・・・は、はい」
如何やら、士郎が転んだ小猫を抱き上げて立たせたようだ。
「慌てなくてもいいんだぞ?おかげで可愛い顔が泥だらけじゃないか」
「・・・・・・・・・・・・」
瞬時に投影でタオルを作り、小猫についた泥を優しく拭き取っていく。
その姿はまるで、子供或いは妹を甲斐甲斐しく世話をする、優しい父親或いは兄のような姿だった。
(藤村先輩が、天然ジゴロだって理解しているにも拘らず、執着していたゼノヴィア先輩の気持ちが解ってきました)
「何か言ったか?」
「いえ、何も・・・」
「そうか。じゃあ、食べようか。ちゃんと栄養バランスを考えたメニューだから安心してくれ」
誘導に従う小猫は、士郎を後ろから見て、もし自分に兄か父親がいればこんな風に面倒を見てくれるのだろうか?と、タラレバの妄想をしながら昼食をとるために続いて行った。
−Interlude−
特訓2日目
「――――ん、うく・・・・・・んん――――」
『オイ、そろそろ起きろ相棒。このままじゃ朝食を食べる時間すらないぞ?』
「・・・・・・んあ?ドライグ?――――そうだっ!魚と木の実を急いで取らねぇと!?」
ドライグの声で急ぎ起き上がる一誠。
彼がいるのは山の何処か。
タンニーンからのスパルタ特訓2日目の朝だった。
『早く取らんと、朝食抜きでタンニーンに追われる羽目になるぞ?』
「そんなの無理に決まってんだろぉ!まずは魚だっ!早く川に――――」
『その必要はない。さっき士郎の奴が来て、朝食も含めた保存が利く、3日分の料理品を持ってきたからな』
「へ?」
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