第21話
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
略を皮肉で呼ばれては心象に悪いのではないか? と思い声を出したのだが――
「お兄さんは……いえ、お兄さん達と風は文字通り『鉄』で『民草』を救ったのです。
誇ることはあっても、恥じることは何もありませんよ〜」
「……そうですね」
柔らかい笑顔で語る風を見て思いとどまる。あの袁紹なら気にしないどころか、高笑いと共に正式名称として使うかもしれない。
彼の下にいたのは短い間だったが、そう思わせるほどに豪快な人物だったと、郭嘉は改めて袁紹を思い出していた。
そして、何のためらいもなく親友に信頼を寄せられている彼に、少し……嫉妬した。
「あの計略は本当に驚かされました。でも次は――」
「……次はなんですか?」
「フフッ、何でもありません」
次は私達が驚かせてあげましょう。という言葉を必死にのみこむ、この広宗において策の準備は既に終えている。極めて成功率が高く親友に自慢したかったが――それで失敗しては目も当てられない。
彼女の反応を楽しむのは策が成ってからだ――棄鉄蒐草の計において、先に大陸中に名を轟かせた親友。風に対抗意識を燃やしていた郭嘉は、策の成就のため用心深く口を噤んだのだった――
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ