第21話
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「華琳様、袁紹殿と風――程cが来ておりますが……」
「あらやっと来たのね。待ちくたびれていたわ……」
「……では」
「ええ稟、丁重にお通しして頂戴」
「ハッ」
孫策達との『挨拶』を終え、自陣で他諸侯とも言葉を交わしながら、袁紹は友である華琳との対面を心待ちにしていたが――彼女が現れることはなかった。
そして遂に日が沈み、痺れを切らした袁紹が直接やって来た。
「どういうことだ孟徳!! 何故我に会いに来ぬ!?」
華琳の予想通りお冠だ。常人であれば名族である彼のその様子に、腰が抜けるほどの怒気を感じさせるが彼女は何処吹く風、妙に芝居がかった仕草で自分の肩を揉みながら弁明する。
「ごめんなさいね。忙しくて」
「ムッ……」
その言葉と仕草に袁紹は立ち止まる。自分が良く知る彼であれば――
「多忙であったか、では致し方あるまい」
「フフッ、ありがとう……」
言って怒気を静める袁紹その様子に華琳は安心した。四年前に比べ背が高くなり、顔は野性味を増し男らしくなったが、彼は自分が良く知る麗覇だ私塾にいた頃と遜色ない。
「あなたが程cね稟から色々聞いてるわ、私が曹孟徳よ」
「初めまして、程cです〜そして――」
『宝ャだゼ、よろしくな!』
「ええ、貴方もよろしくね宝ャ」
『初対面でオレに動じないとはやるなぁ……兄ちゃんも見習わにゃいかんとちゃうんか?』
「う、うむ、精進しよう……」
「面白い娘ね」
初対面にも関わらず華琳と風……宝ャは馴染んでいた。
「稟と積もる話しもあるでしょう? 二人で話してきても良いわよ」
「……いいですか?」
「うむ、久しぶりの友との対面だ。遠慮なく話してくると良い」
「ありがとです〜……でもお兄さんが心配なので宝ャを置いていきますね」
「?……あ、ああ」
そう言うと風は宝ャを――袁紹の頭の上に乗せた。
「ではでは、ごゆっくり〜」
そして袁紹が何かを言う前に素早く天幕を離れ――袁紹と華琳の二人きりとなった。
「本当に面白い娘ね」
「ああ、少し手に焼いているがな」
「あら、なら私が貰うわよ?」
「たわけ! 犬猫じゃあるまいし、我が大事な家臣をホイホイとやれるか!!」
「そう、残念ね」
私塾で出合った頃と同じやり取り、二人は互いの姿と、互いの声を懐かしんだ。
「久しぶりね麗覇、また背が高くなっているわね……」
「む、そうか? 自分では良くわからぬものだ」
華琳から渇望の眼差しを受け袁紹は慌てる。この流れなら次は自分が、彼女の成長を褒めなければいけないのだが――
「そう言う華琳は四年前に比べ――」
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