第百十五話
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・ええ、あれから権能を簒奪したのなら水を操れて植物が急成長したとしてもおかしくありません。むしろ当然といってもいいくらいです。
「ハハハ、ハハハハハハハ!・・・分かりましたよ、あなたが権能を簒奪した相手が」
「急に冷静になりやがったな・・・ったく、面白くなってきたと思ったのによ」
まだ表情は戻せてませんけど、口調が戻っただけでも残念なようですね。先ほどまで心底面白そうにしていたのでちょっと驚きましたけど、もう気にせず行きます。
「その存在は、正確に言えば神というよりも精霊、幽霊といった方が正確な存在として語られています。若くして死んだ花嫁、水の事故で死んだ女性、洗礼を受ける前に死んだ赤ん坊など、そう言った存在がなるものとして」
「・・・また、狂わせる気か」
九人目はそう言いながら距離を置いて水をまきますが、同じことをさせるつもりはありません。垂れ流しにしている狂気をそちらに流し込んで、その効果を潰します。
「その存在を語っていたスラヴ人の間では、森や川、沼などは恐れていた地形であり、季節ごとに違う場所に住まうとされる精霊の伝承はほぼ共通しています。それでも、地勢や気候によって違いは出ていたようですが。見た目だったり性格だったりに」
「ちなみに、オレの時には緑の髪に目で垂れ下がったでっけーちちがあったな」
「それはまた気持ち悪い」
「ああ、全くだ」
彼はどうにも、美しい姿と醜い姿を持つ女神に会うときは必ず醜い姿になってしまうようです。
「その他にも、男性を魅了して水の中に来させるのだとか。呼称の中に『キトハ』なんていうものが・・・誘拐者なんてものがあるだけあって、かなりですね」
「そんなのもあるのかよ」
他にもあの精霊の呼称は探っていくと面白いものが多いです。権能がきかないと見るやティルヴィングで切りかかってきたので。というかそれしかなくなったのでそうしてきているのを弾きながら、そんなことを考えます防ぐだけでいいならこちらの方が有利ですから。
「そんな水の精霊ですが、その名前はあるお祭りから来ています。その祭りは先ほどあなたも口にした『ルーサリイ』というもの。豊穣祭です」
「チッ、やっぱりそれか!」
さすがにあれを言ったらバレるということくらい覚悟していたのか、私がルーサリイといった瞬間に顔をしかめました。私の思い浮かべているのが正解なら、あれはヒントにしてはサービスが過ぎます。
あと、そう考えると残りの権能にも一つ心当たりが出来ました。多分あれですね。あれとあれをセットで殺したのかもしれないです。もしくは片方殺したらもう片方が喧嘩を売ってきたか。
そして、そう考えている間になんか全力でティルヴィングで斬りつけてきました。聖槍で防ぎます。この人剣の技
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