暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
第百十五話
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
らく内容は、植物を操るもの。その証拠に地面から雑草が異常なほどに伸びてきて邪魔ですし。とりあえず狂気と聖槍(ロンギヌス)で・・・

「ルーサリイのもとに、恵みをもたらせ!」

 薙ぎ払おうとした時、九人目が新たな言霊を。言霊の中に含まれていた単語からもう少し正体を探れそうなのですが・・・そんな余裕はなさそうです。
 九人目はその言霊を唱えた瞬間に植物に水をまきます。そしてその瞬間、すべての植物が一気に成長する。武双が豊穣王(フェータイル・キング)を使うときよりも圧倒的に早い速度で一気に。あの水を操る権能だと思っていたものは実は副産物で、本来はこうして使うものだったのでしょうか?って、そうもいってられませんか・・・

「・・・聖槍(ロンギヌス)よ、荒れ狂え!」

 地面に聖槍(ロンギヌス)を突き刺して、狂気を流し込む。植物を一々潰していくのは面倒なので、大元に干渉してしまうことに。が、しかし。

「緑を害するものに裁きを下せ!」

 それをやった瞬間に謎の打撃と斬撃が大量に飛んできます。言霊から考えて、これも九人目の権能。それも大口真神が武双に対して用いたのと同じようなものですか・・・厄介な。まだ全ての植物を潰せたわけではないので、かなり邪魔です。九人目がまとめて焼き払ってくる可能性がある以上、残しておくわけにも・・・

「・・・って、なんて私らしくない」

 ええ、本当に私らしくない。狂気でしかないような女神が何を冷静に分析して戦おうとしているのか。冷静に考えるのは相手の権能だけで、戦いに持ってくる必要はないんですよ。ええまったくもってそうです。ついさっきまで私はなんてバカバカしい戦い方をしていたのか・・・

「・・・狂え」

 口角がものすごく上がるのが分かります。この世界に現れてから一度もないくらい思いっきりあげて、目を見開いて、首を傾げて笑みを作る。狂気しか感じないようなこの笑みが、この上なく落ち着く。

「狂え狂え狂え狂え、荒れ狂え!」

 自分の中にあった常識()理性()がはずれる。そして、一気に狂気をまき散らす。周囲の全ての植物が散るほどに、大地に住まう生物が死ぬほどに、命を持たぬものが朽ちる程に。先ほどと同じように何やら飛んできますけど、それも狂気に触れると消える。

「ハハ、アハハ、アハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハ!」

 つい声が漏れてしまう。つい高笑いしてしまう。そして、それがこの上なく心地いい。しかし、落ち着きました。今だ表情は狂気に満ちていますけど、しかし頭の中では冷静に分析することが出来ています。
 先ほどの言霊の中に出てきた『ルーサリイ』という単語。たしかどこかの祭の名前だったはず・・・あ、そうだ。あれだ、あのお祭りだ。だったらあれがくる・・
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ