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BloodTeaHOUSE
お手入れ
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しちゃったほうが早いもんね。
 でもなるべく髪には触らないようにするかな」

「なんでだ?手櫛とかしたくなるだろ?」
「髪の毛って、濡れると傷つきやすくなるの。だからあんまり触らないようにしてる」
「アタシは結構いじくりまわしてたなぁ」
「結局洗うんだから、あんまり変わんないかもしれないけどね」

こういう話に興味を持つところはちゃんと女の子してるのになぁ。なんて思ってしまう。

「なんだい?髪の毛の手入れの仕方かい?」
「そなの。飛白は髪の毛柔らかいから大変そうだよね?寝癖とか」
「あはははっ!寝癖のついた飛白かぁ、見てみたいな!」
「なら今晩、僕に家に来るかい?」
「誰が行くか!ボケ!寝癖のまま店に来いよ!」

うんうん。こういう時に顔が赤くなる裏子は女の子だよね。
純情で照れ屋さんなところはすごく女の子っぽい。手に包丁さえ持ってなければ、ね。
飛白も裏子をからかってばかりいるけど、ほんと、小学生のじゃれあいみたいだよね。

「はい、今日はジャスミンティだよ」
「わ!お花が入ってる!」
「しばらくしたら開いてくるから見ててごらん」
「ほんと?わぁ楽しみ〜」

花が徐々に開くごとに香りが濃くなっていくのがまたうれしい。
赤い花が開いていくのがおもしろくって、じぃっと見つめてたら、

「そろそろ飲みごろだから、飲んでみて」

そう言われたのでそうっと茶器を持ち上げる。花は八部咲きくらいかな?
口に含むと、ふわぁっとジャスミンの香りでいっぱいになる。

「初めて飲んだけど、すごくいい香りで美味しいね♪それにすごく可愛い!」
「喜んでもらえて何よりだよ。花にジャスミンの香りが付けてあるんだ」
「この花がジャスミンじゃないの?」
「ジャスミンの花は小さいからね、こういうふうに咲かせるのは無理かな」
「そうなんだ〜。でもこれ、飾っておきたいくらい綺麗だね」

なんて笑って、またお茶の中の花を眺める。
ゆらゆらとお茶の中で揺れる花は幻想的で漂う香りと相まってしあわせな気分になる。

「ええ匂いやな、ジャスミン茶か」
「そうなの、とっても美味しいよ」
「懐かしい匂いだなー」
「そっか、裏子は中国出身だもんね。こういうのよく飲んだ?」
「まあね、花は入ってなかったけど、よく飲んだよ。美容と健康にいいんだってさ」
「へー、そういう効能があるんだ」

お肌が綺麗になったりするのかな?
それともこのいい香りで、心が安らいで健康的になるってことかな?

「で、美容で思い出したけどさ、髪の手入れ、最後まで教えてもらってないぞ」
「そこまで短くしたのに必要あるの〜?」
「また伸ばすかも知れないだろ?参考に教えろよー」

腰に手を当ててそういう裏子に気圧される。う〜ん‥‥お茶
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