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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第5章 極寒の雪原の中で 〜指揮官としての初陣〜
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 中隊長として第3中隊をひいることになった私ではあったがこの中隊は下士官、兵士ともにローゼンリッターの隊員が多く私に親しみをもって接してくれた。
同盟人下士官、兵も同じく私にとても優しくしてくれた。
訓練の時中隊先任准尉であったジョアン・マッケンジー准尉はよく私に戦術指導をしてくれたし、中隊後方支援幕僚であるジョン・バレット軍曹は弾薬などの消耗品に関しての難しい報告書を新任少尉である私のためわかりやすくフォーマットを変えてくれたり、何かと弟のように面倒を見てくれた。
また、元からかもしれないがこの中隊にはとてもまとまりがあった。
そのためか、中隊全体が一体となって行動するとき、特に訓練の時は他中隊とは比べ物にならないような訓練成績を上げていた。
もちろんその中で私も指揮運営能力を醸成させることができたし、中隊の一員としてなじむことが自分の想像以上に早くなっていたことにはある一種の感動を感じた。
早く、実戦に出てこの百戦錬磨の戦士たちとともに戦いたいと思っていたが、そのチャンスは予想より2か月も早く回ってきた。
 世にいう「βV衛星攻略戦」である。

 宇宙歴791年 9月20日 
第99衛星群 βV衛星上空 
強襲揚陸艦「ケルティック3号」の降下ハッチ前にて
マークス准将が
「各連隊は降下攻撃戦闘群ごとに降下開始ののち、各大隊で連携を取り攻撃を開始せよ!」
とヘッドセット越しに全兵士へ向けて発信した。
この3個降下中隊で編成された第1次降下攻撃戦闘群を率いているのはカスパー・リンツ中尉である。
リンツ中尉は
「よし野郎ども行くぞ!
ここがローゼンリッターの花道であることを第2次降下部隊の奴らに思い知らせるぞ!」
降下誘導員がゴーサインを出す。
ハッチが開く
一面真っ白だ。
本当なら寒いはずだが、緊張と装甲服内にいるのでそれを感じない。
その中に黒こげになった帝国軍のβV基地が見える。
第2艦隊を基幹とする攻略部隊の徹底的な艦砲射撃によって基地はがれきの山と化していた。
しかし、その中でも生き残った基地の防空部隊が盛んに射撃をしてくる。
第1中隊が降下を始めた。
降下するときは本来なら装甲服の上から降下器具を装着するのだが、今回は下が雪原なので徒歩進撃をすると雪に足を取られるので「凧」と呼ばれている2人乗りの小型強襲機を使う。
これは前席に座った一人が操縦と機体の射撃を行い、後席の一人がトマホークを持って敵に接近し、攻撃するか、ライフルで攻撃する。
速力、機動性ともに良好でローゼンリッターは地上攻撃ではこれをよく利用した攻撃を行っている。
第2中隊の降下が終了し、第3中隊の順番になった。
降下誘導員が中隊員の乗る小型強襲機をカタパルトに設置し
「第3中隊降下良し!
健闘を祈ります!」
私は

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