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BloodTeaHOUSE
先生からの指導
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いつまでもぐずぐずしていたら、パン屋さんのお気に入りのパンが売り切れてしまうから
別れを言って散歩に戻る。今日は素敵な一日になりそうだ―――…

そっと弓を下ろして、飛白の方を見る。どう、だったかな?
「君の先生が発表会に、という気持ちが、僕にもわかるよ」
「ほんとに?どのあたりが?」
くすくす笑う飛白に聞いてみる。自分ではどう変わったのかよくわからないのだ。
もちろん暗譜だって完璧だし、間違えないからといっても、練習に手を抜いたことはない。
でも、特別上手になったとは思えないんだけど。

「僕がコンクールの審査員なら、花丸を上げだろうね」
「むぅ〜…よくわかんないよ……」
弓から松脂を拭って、バイオリンをケースに仕舞うと、少しぬるくなってしまった
ホットミルクを飲む。カルシウムを摂って、せめて150cmは超えたいのだ。

「なら、僕とデュオで弾いてみるかい?」
モーツァルトのウ?ァイオリンとウ?ィオラの為の二重奏曲 ト長調 K 423、第一楽章。
前に合わせたときは伴奏のように飛白に合わせてもらったんだよね。
あれはちょっと悔しかったな‥‥‥
「……やってみる」

あれから結構この曲だって練習したんだし、合わせてもらうばかりなんて悔しいんだもん。
仕舞ったバイオリンを取り出して、準備をすると、
「またバイオリンパートわたしがやってもいい?」
いちおう聞いてみる。ヴィオラのパートは練習してないから、さすがに無理。
「もちろんどうぞ」
余裕の顔で飛白は言う。靴の鳴らす合図に合わせて二人で弾き始める。

ぅわ、なんだろ、気持ちいい。まだまだ飛白の予想の範囲から飛び出したりしてないのか、
ぴったりと寄り添うように合わせてくれる。音が絡み合って伸びやかに空へ登っていく。
私のバイオリンに答えてくれるような飛白のヴィオラパートの音。

絡み合い笑い合いながら、ひとつの曲を弾いているような感覚。
なんて素敵なんだろう。大好きな曲だけど、この曲ってこんなに素敵だったっけ?

あぁ、終わりが近づいてきた。もっと弾いていたいのに…
ヴィオラパートを抱きしめるように弾ききって、ようやく自分の変化に気がついた。

「素敵…」
弓を下ろして呟いた私に、んごーと裏子が拍手をくれる。

「きれいな曲やなー嬢ちゃんにぴったりっちゅう感じや」
「ホントに良かったぞ!」
裏子たちにお礼のお辞儀をする。そういえば2人から拍手を貰ったのって初めてだ。

「僕と合わせてみて、どうだった?」
「あのね、前とは全然違った!すごく気持ちいいの!すごく素敵だったよ!」
興奮冷めやらぬ感じで、感想を言う。響き合う、ハーモニーってこういうのなんだね!

「香澄ちゃんの音は1人でも十分に響き合ってるからね、僕は
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